能勢電鉄は18日、7200系導入記念イベントを川西能勢口駅で開催した。7200系は阪急電鉄から車両を譲り受け、能勢電鉄らしさを加味した4両編成の車両となっている。当日は天候にも恵まれ、多くの鉄道ファンらが訪れた。
今回、能勢電鉄が導入した7200系(7200-7230-7280-7250)の種車は、先頭車2両が阪急電鉄7000系(7025・7125)、中間車2両が阪急電鉄6000系(6671・6681)。4両ともかつて阪急電鉄で活躍した車両をベースとしつつ、内外装にわたって手が加えられた。
外装においては、種別・行先表示器を幕式からLED表示式に変更。阪急電鉄の車両と区別するため、車体前面・側面上部のマルーンとアイボリーとの間にゴールドのラインが入った。乗務員用の扉上部でゴールドラインを上下に切り返すことで、能勢電鉄の「N」を表現したデザインとしている。先頭車の車体側面には、ゴールドで表した「N7200」の装飾も。新たに導入する車両に対する能勢電鉄の意気込みが伝わってきた。
車内においては、ドア付近の座席に設置された大型袖仕切りと手すりが目立つ。大型袖仕切りにはブナやケヤキの木をアレンジした模様が施されており、その裏側にはゴールデンオリーブのモケットが取り付けられている。能勢電鉄7200系に乗車した際は、このあたりの芸の細かさにも注目してほしい。
4カ国語(日本語・英語・中国語・韓国語)に対応した大型車内案内情報装置の導入もポイントのひとつ。能勢電鉄沿線は妙見山をはじめ観光資源に恵まれているため、訪日外国人観光客の利用も十分考えられる。初めて能勢電鉄を利用する場合でも、大型車内案内情報装置のおかげで困ることはないだろう。車内ではその他、引下げ式フリーストップカーテンが設置され、車いすスペースも充実が図られている。
運転台は阪急時代をベースとしつつ、ワンマン対応に改造された。制御機器では能勢電鉄初というVVVF制御を導入している。これにより、消費電力を約50%削減できるとのこと。経費節減への期待も込められている。
7200系は3月19日から営業運転を開始している。能勢電鉄線内で運用され、阪急宝塚本線へ直通する特急「日生エクスプレス」の運用には入らないとのこと。7200系は2018年度にもう1編成導入する予定。7200系の導入にともない、同社の1700系(元阪急電鉄2000系)は順次引退予定とされた。