パソコンやスマホの発達とともに情報社会と化した今、企業に求められのは、更なる情報通信技術の向上と、情報を守る高度なセキュリティ対策ではないだろうか。そこで今回は、「情報」に関するビジネス用語「CIO」についてご紹介します。

■CIOの意味とは

「CIO」とはアメリカの組織で使われる役職名で、「Chief Information Officer」の略語です。情報をマネジメントする責任者、「最高情報責任者」のことを指します。日本では、情報管理部の部長が兼任するケースが多いようです。

なおCIOは、民間の企業のみではなく、行政や政府、自治体など様々な分野で活躍しています。例えば、政府CIOは「内閣情報通信政策監」という名前の役職で、電子行政推進の司令塔となる存在です。

■CIOの役割

CIOの役割は、経営戦略とIT戦略を統合することにあります。

ITツールの見直しと活用によるコスト削減、IT資産(人材、ハードウェア、ソフトウェアなど)の管理と最適化、情報技術を用いた効率的な業務プロセスの構築などを行い、情報システムに適合させる役割を担っています。そうして得た情報やIT技術に基づき、経営陣に対して適切な助言を行うのも、CIOの重要な役割です。さらに、ITによる経営戦略の立案だけでなく、実行する責任者でもあるのです。

そのため、情報処理、情報科学、ソフトウェアエンジニアリングなど、ITに関する技術的な能力だけでなく、企業のビジネスを十分理解していることが求められ、ゆえにCIOは、CEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)などと並ぶトップマネジメントの一員である必要があるのです。

今回は「CIO」について紹介しましたが、CIOには多くの知識と能力が求められるようです。IT技術の専門家がCIOに就任したとして、経営に対するノウハウが無ければ意味がありません。また、経営能力に長けた人が就任しても、ITの知識が中途半端なものでは、その役割を十分に果たすことはできないでしょう。高度な情報社会の中で企業を成長させていくには、欠かせない存在と言えそうです。