ますます充実しそうな3列シートSUV

これまでも3列シートのSUVはあった。トヨタ自動車「ランドクルーザープラド」や日産自動車「エクストレイル」などである。しかし、これらは2列シート車とボディが共通で、3列目は補助席に近いスペースだった。ミニバンの代わりにはならなかったのである。

  • 日産自動車「エクストレイル」の画像

    日産「エクストレイル」(画像)やトヨタ「ランドクルーザープラド」にも3列シートはあるが…

一方のCX-8は、安定した人気を得ている「CX-5」のボディ後半をストレッチした車種と思うかもしれないが、実際は北米向け大型SUV「CX-9」のプラットフォームを活用している。だから、3列目にも身長170cmの筆者が楽に座れるスペースを備えている。

よって、CX-8の全長は4,900mmとトヨタ自動車の大型ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」に迫る。しかし全幅はCX-5と同じであり、見た目も近い巧妙なデザインを施すことで、大きさへの不安を払拭することに成功した。これが、ミニバンに飽きつつあったファミリー層のハートを掴んだようだ。

  • マツダ「CX-8」の画像

    「CX-8」の全長は大型ミニバンと同等だが、大きさへの不安を感じさせないようなデザインを施してある

CX-8と似たような成り立ちの車種としては、プジョーがCX-5と同格の「3008」と基本設計を共有する「5008」をラインアップしている。また、レクサスは2017年12月、ひとクラス上の「RX」に3列シート車を追加した。いずれもボディ後半を伸ばすことでシートを増設している。

こうした動きは今年もいくつか出てくるだろう。新規の開発は相応に歳月を要するが、例えばフォルクスワーゲンは、欧州では販売しているSUV「ティグアン」の3列シート車の輸入を考えるかもしれない。

  • フォルクスワーゲン「ティグアン」の画像

    フォルクスワーゲンは「ティグアン」(画像)の3列シート車を日本に導入するかもしれない

一方で今年は、日本車やドイツ車以外の選択肢が注目されそうな気もする。

COTY受賞で存在感を高めそうなボルボ

きっかけになりそうなのがボルボ「XC60」のCOTY受賞だ。今回の受賞でXC60を初めて知った人もいるだろう。こうした人たちがディーラーに足を運んで試乗することで、北欧生まれならではのデザインや走りが気に入って購入に至るというストーリーが出てきそうだ。

  • ボルボ「XC60」の画像

    「XC60」のCOTY受賞はボルボにとって追い風となりそうだ

ボルボはもともと、安全性については世界トップクラスである。XC60もライバルに引けを取らない内容を持っている。多くのユーザーが注目している予防安全や運転支援の分野も同じであり、そのうえでデザインや走りが優れているという事実は、かなりのインパクトになるだろう。