三菱自動車は新型SUV「エクリプスクロス」の予約受付を全国の系列販売会社で開始した。これまで明かされてこなかった価格は約260万円~310万円(税込み)とアナウンスされた。三菱から登場する久々の新車は、同社のヘリテージが盛り込まれたスポーティーなコンパクトSUVだ。その商品性をおさらいし、三菱が挑戦するネットを使った新たな売り方にも注目してみたい。

  • 三菱自動車「エクリプスクロス」の画像1

    三菱自動車「エクリプスクロス」の予約受付が始まった

三菱自動車のクロスオーバーSUVラインアップが充実

三菱自動車は「パジェロ」などで培ったSUVに関する知見と、「ランサーエボリューション」に代表される走行性能に関する技術を盛り込んでエクリプスクロスを開発した。クーペスタイルを取り入れたSUVは世界的に増えているが、これまでのクルマづくりで築き上げた“三菱らしさ”を注ぎ込むことで、同社はエクリプスクロスの独自性を打ち出す。発売は2018年3月の予定だ。

商品性について詳しくは、先日、エクリプスクロスの商品企画を担当したチーフ・プロダクト・スペシャリスト(CPS)の林祐一郎氏からプレゼンを受け、その内容を記事にしているので、そちらをご覧いただきたい。

SUV市場は右肩上がりの成長を記録しており、その勢いは今後も続いていく見通し。すでに「アウトランダー」と「RVR」という2種類のクロスオーバーSUVをラインアップする三菱自動車だが、エクリプスクロスを加えた3つの車種を順繰りにモデルチェンジしていけば、人気のSUV市場で常に新鮮なクルマをアピールすることが可能かもしれない。

  • 三菱自動車「エクリプスクロス」の画像2

    三菱はSUV3車種を展開することになる(画像はエクリプスクロス)

クルマのニコ生? ネットを使った新しいショールーム体験

エクリプスクロスではネットを使った新しいクルマの売り方にもチャレンジする。それが「NIGHT SHOWROOM」(ナイトショールーム)という取り組みだ。

三菱自動車は予約受付期間中の2018年1月9日から2月4日までの約1カ月間、Webのアクセス数が増える20時から23時までの時間帯に、エクリプスクロスのライブ中継を実施する。中継中は、顧客から寄せられた質問に開発者やモータージャーナリストなどが回答する。つまりはエクリプスクロスを中心に据えて「ニコニコ生放送」のようなことを行うのだ。期間中は毎日、ライブ配信を実施するという。

自動車メーカーが販売店に技術者を派遣し、顧客と直接話をする機会を設ける取り組みは聞いたことがあるが、ネットのライブ中継であれば、話しかけられる相手は不特定多数に拡大する。このクルマに興味のある人にはもちろんのこと、三菱自動車の開発者とじかに話してみたいと考えるクルマ好きにとってみても、販売店に足を運ばなくても済む手軽なショールーム体験はよい機会となるかもしれない。