フジテレビ系バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』の名物企画「岡村隆史のオファーが来ましたシリーズ」の最新作となる第15弾が、あす14日(18:30~20:54)に放送される。今回は、"日本音楽界の宝"とも称されるアーティスト・三浦大知のライブに出演。過去最高難易度のダンスに挑み、2,500人超の歓声を浴びるまでの姿が、ドキュメントタッチで描かれる。
そこで、岡村がSMAPのコンサートに飛び入り参加した第1弾から20年にわたって同シリーズを見てきた演出・チーフプロデューサーの戸渡和孝氏に、その歴史や裏話、そして『めちゃイケ』の今後などについても聞いた――。
「岡村オファーシリーズ」がスタートしたのは、土曜23時台からゴールデンに進出した『めちゃイケ』が96年10月にスタートして、ちょうど1年がたった97年10月。番組サイドから岡村に「ジャニーズJr.に入りませんか?」と提案したことから、レッスンを受けてバックダンサーとしてSMAPのコンサートに出演した。その後は、『新春かくし芸大会』、劇団四季『ライオンキング』、EXILEのライブなどに挑戦。芸人の専門外のジャンルからオファーを受け、努力を重ねて本番で奇跡を起こすという、笑いとドキュメンタリーを融合させたスタイルが形作られてきた。
この成り立ちについて、戸渡氏は「ナインティナインをはじめとするメンバーと制作陣は、圧倒的な才能のもとで『めちゃイケ』がゴールデンに進出できたわけではないということを自覚していたので、当時『とんねるずのみなさんのおかげです』や『ダウンタウンのごっつええ感じ』といった番組と肩を並べるためには、センスとかじゃなくて、汗を流していかないと、と考えていたんです」と背景を説明。「岡村隆史という生真面目で努力家な人間によって、そうした『めちゃイケ』の精神性を最も体現した企画だと思います」と語る。
こうして、岡村がひたむきに頑張る姿が視聴者に強くイメージされていく一方、20年という長い年月を経て、岡村の芸能界におけるキャリア・地位が上がってくると、それまでのようなSMAPやEXILEといった国民的グループを相手に挑戦していくという構図を描くのが困難になってきていた。
そんな中で、今回チャレンジするのは、岡村より17歳も年下の三浦大知。20年前のSMAP、10年前のEXILE、そして今回の三浦と、ちょうど10年ごとに、その時に今後の音楽界を担っていく才能とぶつかることになり、「僕らにとっては、ある種の節目オファー」だという。
しかし、三浦をはじめ、バックダンサーも世界トップクラスのレベルで、岡村は、これまで挑んできたダンスのセオリーが通用せず、8月頭に企画がスタートした当初、かなり苦戦を強いられることに。戸渡氏が「ひと回り以上年下の人たちに教えを請いながらチャレンジをする。そんな"オッサン"の岡村さんの頑張りや汗が、視聴者の皆さんにどう響くのか。そこが、今までと趣向が違うところですね」と言うように、「岡村オファーシリーズ」が新たなステージに入ったのだ。
47歳となった岡村は、当初に比べて明らかに体型が変わり、体力も落ちているはずだが、「ダンスのレベルは上がってるんですよ」という。「『めちゃイケ』の収録が終わって、次の週に会うと、前の週よりも仕上げてくるんです。三浦さんの映像をiPadで撮影して、家でテレビにつないで見ながら相当練習しているみたいですね。もちろんカメラが回ってないところで」と、まさに努力でカバーしていたそうだ。
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