※2008/07/17掲載記事の再掲です

YouTube、ニコニコ動画などの、いわゆる「動画共有サイト」の裾野が広がっている。いまやYouTubeの月間利用者数は1000万人以上、ニコニコ動画の会員数は500万人を超えるほど。

実は儲からない!?

これだけ人気があると、相当儲かってそうだけど……。ITジャーナリストの杉原光徳氏に聞いてみると、「動画共有サービスで儲かっているという話は、ほとんど聞いたことがありません。赤字運営が多いようですね」と意外なお答え。実は、この手のビジネスモデルは儲かりにくい仕組みだそうだ。

「収入面は、主にバナー広告や宣伝動画などをおくための“場所代”。一方、支出面ですが、想像以上のコストがかかるようです。膨大の量の動画を管理するサーバー費用のほかに、トラフィックに応じてサイト側が支払う“回線使用料”などがあります。実は、ネット上のデータのやり取りには、コストがかかるんですよ」。つまり、ユーザーがアクセスして動画を見れば見るほど、カネがかかるという。なんとも皮肉な収益構造だ……。

広告っぽくならない新しい仕掛け

「そこで収入を増やすように、ニコニコ動画では関連商品のアフィリエイトをつけたりしています。例えば、斧を使った猟奇殺人映画の関連動画には『ガーデニング用の斧』をリンクするといった具合に。さらに、その商品を購入した人がいると、『斧買ったヤツ出てこい!』なんてコメントが動画に書き込まれたりします(笑)」

広告すらエンターテインメントにかえる新しい仕掛けをしているのだ。サイトにとっては、ボクらが見ないと広告収入が入らないのに、見られすぎるとお金がかかる。動画共有サイトが収益の出るビジネスとなるのは、まだまだ時間がかかるのかも。

ニコニコ動画 http://www.nicovideo.jp/
文●影山 薫