JR西日本は5日、大阪環状線で活躍した通勤形電車103系の営業運転終了について発表した。大阪環状線の103系は現在、オレンジ色の編成と「OSAKA POWER LOOP」のラッピングを施した編成の計2編成が残っており、このうち「OSAKA POWER LOOP」ラッピング列車は9月中に引退、残るオレンジ色の編成が10月3日まで営業運転を行うという。

大阪環状線を走る103系「OSAKA POWER LOOP」ラッピング列車。オレンジ色の編成よりひと足早く運行終了、引退するという

大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)では、昨年12月に新型車両323系がデビューし、すでに8編成(計64両)投入された。日中時間帯、大阪環状線で環状運転を行う列車の多くが323系による運行となり、置換え対象の通勤形電車103系・201系は数を減らしている。

JR西日本によれば、現在2編成が残る大阪環状線の103系のうち、「OSAKA POWER LOOP」のラッピングを施した編成については間もなく運行終了となり、そのまま引退するとのことだった。このラッピング列車は「大阪環状線改造プロジェクト」の一環で2014年に登場。大阪城・通天閣といった沿線風景や名所、祭事などをモチーフにデザインされた。

「OSAKA POWER LOOP」ラッピング列車の引退により、大阪環状線の103系はオレンジ色の1編成を残すのみとなり、この編成が10月3日まで運行されることになる。営業運転終了予定日を10月3日としたことについて、「形式数字『103』にちなみ、この日を勇退日としました」とJR西日本。なお、利用者の集中による駅ホーム上の混乱を防ぐため、当日の営業運転最終列車の運転時刻は公表しない。

オレンジ色の103系をモチーフにデザインされた施設「ビエラ玉造」付近を通過する大阪環状線103系(2014年撮影)

大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)専用新型車両323系は2018年度までに21編成(計168両)を投入する予定。これまでに8編成(計64両)投入されている

大阪環状線103系の引退を記念し、9月5日に「大阪環状線プロジェクト」ホームページやYouTubeにて、103系引退スペシャルムービー「LOOP 大阪環状線」が公開された。チャットモンチーの楽曲「サラバ青春」をBGMに、103系から見た前面展望映像と103系の歴史写真を組み合わせ、大阪環状線で過ごした「何でもないけれどかけがえのない毎日」を表現した内容となっている。大阪環状線では103系の引退後も323系の導入を進め、来年度をめどに201系も置き換える予定としている。