ボストン コンサルティング グループとアリ・リサーチはこのほど、中国の個人消費のトレンドに関するレポート「Five Profiles That Explain China's Consumer Economy」を発表した。

伸び幅見込み、日本の個人消費の約6割に相当

レポートによると、今後の中国のGDP成長率を現在(7.7%弱)より低い5.5%と仮定した場合でも、個人消費(名目)は2021年には6.1兆ドルに拡大すると予測。2016年(4.4兆ドル)と比べると1.8兆ドル増加する見込みで、伸び幅は2016年のドイツの個人消費と同程度、または日本の個人消費の約6割に相当するという。

増加要因については、「上位中間層・富裕層と、消費意欲が向上する若年層が個人消費を牽引すると考えられる」と分析している。

各国の個人消費(出典:ボストン コンサルティング グループWebサイト)

個人消費の増加分1.8兆ドルの内訳をみると、上位中間層・富裕層の個人消費は2016年より1.4兆ドル増え、増加分の75%を占めると試算している。要因としては、上位中間層・富裕層の世帯数が今後も増加が見込まれることに加え、「ワンランク上の消費」が浸透することで個人消費が拡大することが挙げられるという。

世代別にみると、80年代・90年代生まれの消費者層による2021年の個人消費は、2016年と比べて1.2兆ドル(増加額の69%)増加すると予測。一方、60年代・70年代生まれの個人消費の増加額は0.6兆ドル(同31%)にとどまるとしている。