不思議と猫に好かれる人と嫌われる人がいます。猫に好かれる人は何もしていなくても猫が寄ってきますし、触っても嫌がられません。これはその人が猫好きか否かは関係ないようで、猫が嫌いでも猫には好かれる人というのも存在します。そのような人は野良猫も同じで、公園に座っていると自然と猫が寄って来ることがあります。猫に好かれる人と嫌われる人は何が違うのでしょうか。
猫の距離感を理解しよう
猫には猫の距離感覚があります。猫同士では、知らない猫は半径2m以内には絶対に入らないようにお互い意識しています。これを"逃走距離"といい、馴染みがない猫が接近した時に逃げ出す距離です。
そのほかに顔なじみの猫が入ってもいい"社会的距離"などがあります。猫同士が集合している時も、妙に距離を開けて座っているのは、この距離感が関係しているからでしょう。こちらから歩み寄るとしても、最後の2mは猫が近づいてくるのを待ちましょう。
匂いに気をつけよう
猫は、犬ほどではありませんが、とても鼻がいい動物です。人間は主に顔を見て名前をおぼえますが、猫は匂いで覚えます。そのため猫にとって匂いはとても大事です。私たちにとってはいい匂いでも、香水などはつけない方がいいでしょう。特にシトラスやレモンなどの柑橘系は猫からすると心地よいものではなさそうです。
猫のボディランゲージを知ろう
どんなにこちらが仲良くしたくても、相手が警戒していると難しいでしょう。できるだけフレンドリーで機嫌がいい猫を探しましょう。
猫のボディランゲージでは、しっぽをピンッと立てているのは、挨拶の意味があります。また目を細めて瞬きするのはリラックスしているサインです。こういったサインを出している猫にアプローチすると仲良くなりやすいでしょう。
猫のように振る舞おう
また、大きな足音はそれだけで猫を緊張させてしまいます、猫のように静かに歩くことを日頃から心がけましょう。
動物写真家は、猫に近寄るときに匍匐前進のような動きで近づいています。これは猫目線のアングルで写真を撮るだけでなく、猫を怖がらせないためでもあります。地面に座り込むまではしなくても、腰を低くすると猫側も安心するでしょう。
猫流の挨拶を学ぼう
猫社会にも挨拶があります。私たちは握手をしますが、猫はお互いの匂いを交換するのが挨拶になります。
猫に接近することができたら、人差し指を猫の鼻先にかざして匂いを嗅がせましょう。これを「キャットスキャン」といいます。キャットスキャンが終わり、猫が安心しているようであればそのまま耳の後ろや顎の下を撫でてあげるといいでしょう。
まとめ
今回紹介したテクニックを使えば、きっと野良猫とも友達になれるはずです。野良猫が多い地域の方が、野良猫たちも人に慣れているので仲良くなりやすいでしょう。最後にですが、野良猫は感染症を持っていることもあります、触れた後は必ず手を洗ってくださいね。
※写真はイメージ
著者プロフィール: 山本宗伸
獣医師。猫の病院 Syu Syu CAT Clinic で副院長を務めた後、マンハッタン猫専門病院で研修を積み帰国。現在は猫専門動物病院 Tokyo Cat Specialistsの院長を務めている。ブログ nekopeidaも毎月更新中。