スタジオジブリが公式サイトで宮崎駿監督の「引退撤回」を発表。長編アニメーション映画の制作に取り組み始めたことを明言した。同時に、2017年10月から3年間の期間のあいだに制作にかかわる契約社員を募集することも公表されており、サイトで応募要項が公開されている。応募締切は2017年7月20日必着。
スタジオジブリの公式サイトでは、19日更新の最新情報として、「すでにテレビ等でご存じかと思いますが、宮崎駿監督は最後の長編アニメーション映画に取り組み始めました」とコメント。続けて、「『風立ちぬ』から4年、三鷹の森ジブリ美術館のための短編映画『毛虫のボロ』で、若いスタッフと共に苦手なCG技術にも野心的に向き合い、ついに完成させました。一方、この間、昔からの大切な仲間を何人も亡くし、自分自身の終焉に関してより深く考える日々が続きました」と監督の心情がつづられている。
そして、「ここに至り、宮崎監督は『引退撤回』を決断し、長編アニメーション映画の制作を決めました。作るに値する題材を見出したからにほかなりません。年齢的には、今度こそ、本当に最後の監督作品になるでしょう」と、監督の「引退撤回」が明らかにされた。
昨年放送されたドキュメンタリー番組でも監督は長編への意欲を示しており、今年4月に開催された「ニコニコ超会議2017」では鈴木敏夫プロデューサーが長編映画についてコメントしていたが、「引退撤回」と新作長編アニメの制作をあらためて明言した形となる。
さらに、「この映画制作完遂のために、若い力を貸して下さい。期間は3年間です。一緒に制作に加わってくださる方を募集します」としてスタッフも募集する。募集職種は動画と背景美術の担当者を若干名。7月下旬に書類選考、9月上旬に一次選考、9月中旬に二次選考が行われる。スタジオジブリは、これまでにもアニメーションの現場で活躍するスタッフを数多く輩出しており、今回の募集でもここから新たな才能が生まれるのか、期待したい。