MVは自信満々のどや顔です

――そうして紆余曲折を経てデビューミニアルバム『YOU&YOU』が発売されることになりました。制作に携わってみていかがでしたか。

まず、私は意外と自分のことをよくわかっていなかったんだなと思いました。ミニアルバムを制作するにあたって、太田さんやスタッフから「何がしたい」とか「自分の武器は何だと思う」とかたくさん聞かれたんですけど、あまり具体的に出てこなかったんです。散々ソロデビューしたいとか言っていたのに(笑)。i☆Risとしてはゼロからクリエイトするよりも与えられたものを120%引き出していくみたいなタイプだったので、何かを作り出すということは、あまりやってこなかったんですよ。

――自分を見つめ直す機会にもなったわけですね。

そうなんです。そこで「ファンのみんなを喜ばせたい」という結論にたどり着いたんですよ。楽曲に関してだと、太田さんは私よりもアニソンを突き詰めてきた人だし、きっと素敵なものを作ってくれるという安心感があったので、「出来た曲と向き合っていく」ということは決めていました。

――ミニアルバムの楽曲を聴いてまず思ったのは、「芹澤さんはアイドルだな」ということでした。

そうなんです。私ってアイドルっぽいんだなと思いました。

――ミニアルバムのコンセプトとして、アイドルという方向性でいくことは最初から決まっていたんですか?

最初はなかったですね。コンセプトは決めずに太田さんの曲をまず私の解釈で歌っていって、最後に整えていったんですけど、そこから自然とこうなっていきましたね。今回のミニアルバムでは格好いい系の楽曲はなくてかわいい系ばかりなんですよ。私はほんとにかわいい系が好きなんだなと思いました。今回ではじめて芹澤を知った人でも、わかりやすくときめけるミニアルバムになったと思います。

――それでは楽曲について聴いていきたいと思います。まずはリード曲の「Voice for YOU!」ですが。

最高ですよね! 芹澤 優イコール「Voice for YOU!」だと思っています。作詞を担当されている松井洋平さんは昔からお世話になっている方なので、歌詞にも芹澤っぽいところが散りばめられているんです。"もう嬉しくって 嬉しくって 嬉しくって 弾けそう"とか"騒ぎたくって、仕方がないんだ"とか。それにコールアンドレスポンスも多いんですよ。

――バースデーソロライブでも歌っていましたけど、初披露とは思えないほどの盛り上がりでしたね

私は何が一番楽しいかと聞かれたらライブと答えるくらいライブが好きなんですよ。「Voice for YOU!」はファンありきの曲なのでライブで歌ったときの楽しさが半端ないんです。「ライブでこんなことがしたい」ということがギュッと詰まっています。

――タイトルにも注目ですよね。特に"YOU"の部分。ここは最初から決まっていたんですか?

決まっていました。"YOU"は絶対、芹澤 優の"YOU"ですよね。いい名前だなー、使い勝手もいいし!

――タイトルに付けやすいんですね。そういえば、芹澤さんと仲の良い彩崎ゆうさんも楽曲のタイトルには絶対"YOU"が入っています。

そ、そ~うなんですよ。すごい仲良いんですよ。好きすぎてね、よくカバーとかしちゃいますね!(笑)。

――「Voice for YOU!」の話に戻って、MVも撮影されていましたね。アイドル芹澤 優がたくさんのマイクを向けられて、いろんな服を着て、いろんな髪型で登場して、キラッキラのMVになっています。


MVかわいくないですか!? 出来上がったときに、これは世界中を震撼させちゃうなと思ったくらいです。

――全米もね。

泣きましたよね~。MVは自信満々のどや顔です! 一日に10回は観ています!

――妹系、お姉さん系、クール系、王道系、癒やし系など、いろいろな衣装と髪型で登場していますけど、どのモードの子がお気に入りですか?

一番好きなのは、赤リボンのスタンダード芹澤ですね。あとは、ワンピースの上から青い星空のオーバースカートを着ている子。あの子はウェーイみたいなパリピなんですよ。深夜3時にメールしても来てくれるような。それと、ツインテールの子はそうとう性格が面倒くさいですねー、ナルシストだし。

――一人ひとりキャラクターが決まっているんですね。

そうなんです。オフショットムービーでは一人ひとりしゃべっているので、そこにも注目ですよ。

地蔵に見せかけてしっかりと受け答えできる曲に

――2曲目は「Kiss! Kiss! Kiss!」。

「Voice for YOU!」で芹澤 優の自己紹介をして、「Kiss! Kiss! Kiss!」で好きになってもらうという流れですね。結構くせ強めに歌っていて、やりすぎかなと思ったんですけど、太田さんが「かわいいし全然平気だよ」と言ってくれて、こういう一面もアリなんだなと思った楽曲でもあります。「Kiss! Kiss! Kiss!」で、私はかわいい曲や恋の歌が好きだし、ライブも好きだしみたいな、自分の好きが見えてきましたね。サビの"Kiss! Kiss! Kiss!"のところはかわいい振り付けにして、ライブではファン一人ひとりの目を見て歌いたいと思っています。

――「ドラマチックレイディオ」は、まさに恋の歌という楽曲になっています。

特に女の子のファンに聴いてもらいたいですね。作詞が真崎エリカさんという女性の方なので、歌詞がすっごい女の子っぽいんですよ。私も女の子っぽく歌っているので、聴いた女の子も「もっとキラキラしていいんだな」と思ってほしいし、歌ってほしいですね。

――そんなキラキラが詰め込まれた楽曲ですが、お気に入りのフレーズはありますか?

使っていることばがナウいんですよね。カタカナで"ジッサイ"とか"トキメキ周波数"とか。その中でも好きなのは、"キュンとしてたいんです I am 四六時中 女の子はそういうモンじゃなーい?"の部分。「女の子って超楽しくない?」って、暑苦しく女の子に共感を求めているんです。

――お次はかわいい系の楽曲の中でも、ちょっと独特な「WAGA-MA-MA-MAGIC」。

ミニアルバムの中でも個性的ですよね。もっとわかりやすくロックな曲になる可能性もあったんですけど、デビューミニアルバムであれもこれもと詰め込むと、全体的にボヤッとしたものになるかと思って、ラブリーな楽曲になりました。「芹澤のかわいさドーン!」って感じですよね。その分、ファンに届けたときにどんな反応が返ってくるのか、この先どうなっていくのか、未知数ですね。

――すごく甘い歌い方で、とろけてしまいそうな楽曲ですが、レコーディングはすんなりいきました?

最初のレコーディングでふにゃふにゃっとした感じで歌っていたら、太田さんから「もっとちゃんとかわいく歌っていいよ」と言われました。特に最後の"会いたいな ねえもっと 会いたいな 大声で"のところは呼びかけるように歌っています。"会いたいな"の部分をファンが歌ってくれたらうれしいなって話をしていましたね。ファンも地蔵で聴くような楽曲に見せかけて、しっかりと受け答えできるような曲になればいいなと思います。