春の入園・入学シーズンを迎え、新しい生活に悪戦苦闘しているパパ・ママは多いのではないだろうか。慣れない学校や園生活の準備、働きながらであれば仕事と両立しながらの家事・育児。衣替えシーズンだって近づいている。そこで今回、ニフティが開催した「時短を実現する段取り&整理収納術セミナー」に参加。ライフオーガナイザーの北村めぐみさんに、多忙なパパ・ママの時短・効率化を実現するためのテクニックについて教えてもらった。

ライフオーガナイザーとして活躍する北村めぐみさんに、時短・効率化のテクを教えてもらった

"ファミレス"の発想で子どもが手伝いやすいキッチンに

「まじめで努力家、完璧主義。向上心のある人ほど、1人で家事をこなそうとして悩みがちです」。北村さんは、セミナーの冒頭でこんな言葉を投げかけた。特にママの1日は、タスクだらけ。親子での身支度と朝食、保育園の送りまでの"朝の時間"と、保育園のお迎え、夕食、お風呂、残っている家事を延々と片付ける"夜の時間"は「ママロック」と呼ばれ、女性たちが最も忙しいと感じる時間帯にあたるという。

その家事の負担を軽減するために必要なのは、「効率的に配置する」「周りと助け合う」「便利ツールを使う」という3つのポイントをおさえること。北村さんは、その具体的な事例を、悩みが多い「キッチン」「クローゼット」「リビング」の3つのスペース別に紹介してくれた。

まずキッチンでは、調理器具の配置がポイント。フライパンなどはコンロの下、両手鍋などは水道が使いやすいシンクの下の棚にしまうと、効率よく料理ができるそうだ。

あまり使わないものは、軽い物を頭上の棚に、重いものを足元の棚にしまうと便利

また、コップやカトラリーなど、よく使う食器はトレーにセットし、あえて出しっぱなしにしておくと、子どもが取り出しやすく、食卓に運ぶお手伝いもしやすいそうだ。「引き出しを引いて必要な物を出してくるよりは、出してある物から取って持っていく方が楽。これはファミレスのテーブルに既に置いてあるカトラリーセットが参考になりました」と北村さんは語る。

トレーにセットし、出しっぱなしにしておくことで、取り出しやすくなる

さらに食器洗い機は、食器を洗うだけでなく、ガスコンロの部品や歯ブラシ立て、ステンレスのトレーなど、キッチン回り、水回りのアイテムを洗うのにも便利だそうで、試してみてもいいかもしれない(あくまでも、自己責任で)。

春服・秋服セットが子どもの身支度を楽にする

次にクローゼットでは、衣替えの季節を"4つ"ではなく"3つ"に分けると、使いやすくなるという。具体的には、夏服、冬服はシーズンオフとシーズンオンで入れ替えるものの、春服・夏服については1つにまとめて、常に取り出しやすい場所へ収納しておくという方法だ。「春服・秋服って似ていませんか? 春・秋セットが子どもの取り出しやすい場所にあれば、ちょっと寒かったり、ちょっと暑かったりした時に、自分で調整できます」。

シーズンオフとオンに分けるのは、夏服と冬服のみ

ハンガーかけを低い位置に設置する、下着・靴下、Tシャツなど、子どもが着る物全てをセットにして大きな引き出しにしまうなど、工夫することで、親が手助けしなくても、子どもの着替えがスムーズに進むそうだ。

リビングには「情報ステーション」を作ろう

最後にリビングでは、子どもや親がよく使う物をコーナー化するアイデアをいくつか紹介してくれた。いつでも冷たい子どもが飲める「お茶コーナー」や、お絵かきセット・折り紙セットなどの子どもの文具をまとめてしまう「セット収納」など、いずれも子どもの手が届く場所に、使う物がセットで置いてあるので、効率化できそう。

いつでも自由に子どもがお茶を飲める「お茶コーナー」

また学校、園からのお手紙を置く棚、はさみ、ボールペン、印鑑などがまとめて設置してある"情報ステーション"を作ることで、連絡帳・お手紙の確認や作業まで、その場で一気に終えられる。北村さんは、「4月に入るとお手紙の量は多くなる。小学生以上であれば、ラックの上に置く書類は提出が必要なもの、下に置く書類は読みものと分類して子どもに置いてもらうと便利です」と語った。

「情報ステーション」でお手紙や提出物の管理も完璧

そして、お手紙は「おたよりBOX」、家計簿は「家計簿マネーフォワード」、写真は「Googleフォト」など、アプリを活用して電子化するのがオススメとのこと。何より物が増えず、整理、保管、削除、共有が簡単にできるので、家事・子育ての効率化につながるという。

北村さんが活用されているアプリ

「家事を効率化して作った時間は、自分が大事だと思うことのために使ってもらい、人生を豊かにしてもらいたい」と北村さん。家族の協力を仰ぐ仕組みをうまく作って、家族みんなが、豊かに気持ちよく過ごせる生活を、ぜひ実現してほしい。