西伊豆・松崎町の那賀川沿いは桜並木になっており、伊豆半島を代表する花見名所として知られている。隣接して花畑や松崎温泉の足湯があり、桜と花畑の絶景を一望できる。特に春、この西伊豆松崎温泉郷への旅をプッシュしたい6つの理由を、その楽しみ方とともに紹介しよう。
春は那賀川沿い、夏は海岸沿い
東京駅から西伊豆松崎温泉郷に行く場合、新幹線+伊豆急行線/伊豆箱根鉄道駿豆線+東海バスというアクセスになり、片道3時間~3時間半程度かかる。そのため、気軽に日帰りもできるとは言いにくいが、都内から1泊2日でまったり楽しむにはもってこいの場所だろう。
西伊豆松崎温泉郷には、那賀川沿いに松崎温泉・桜田温泉・大沢温泉があり、海岸沿いに岩地温泉、石部温泉、雲見温泉がある。花見名所や花畑がある那賀川沿いの温泉地は春が、海岸沿いの温泉地は夏がそれぞれベストシーズン。今回は、春にオススメしたい那賀川沿いの温泉地を中心に紹介しよう。
まず紹介したい理由(1)は「田んぼをつかった花畑」。こちらは名前の通り、田植え前の水田を観光用の花畑に活用したもの。春には水を抜いた水田が一面の花畑になり、あまりの大規模さに目を疑う程の絶景だ。
「田んぼをつかった花畑」には6種類の花の種がまかれており、順番に咲くのも魅力だ。最初はオレンジや黄色のアフリカキンセンカで、次が青いネモフィラ(るりからくさ)。桜の開花前後の花畑は、春らしい黄色い花が中心となる。
桜並木と花畑の絶景を足湯をしながら
花畑には松崎温泉の源泉があり、無料の足湯も併設されている。隣接した那賀川沿いの桜並木の見頃が一番のオススメで、桜と花畑の絶景を足湯から一望できる。つまり、オススメしたい理由(2)は桜並木である。後で紹介する特産の「桜葉アイス」をテイクアウトして持参すれば、桜を目に加えて舌でも味わえるというわけだ。
桜並木の桜が散った後も、花畑は健在。桜とともにアフリカキンセンカは終了し、ネモフィラと姫金魚草が満開になる。色彩も春らしい暖色系から青や紫の初夏を思わせる寒色系に変化。背丈のある姫金魚草が花畑に立体感を加え、同じ場所とは到底思えないほどの変化を楽しめる。その後はゴールデンウィーク(GW)にかけて、矢車草、ひなげし、つましろひなぎくが満開になり、さらに彩りが変化していく。
「田んぼを使った花畑」はGWまでの期間限定で、GW後には普通の水田に戻る。そのため、5月に入ると無料で花畑の花摘みをしていいことになっている。普通の水田に戻す作業の一貫なので、遠慮せずにどんどん摘み取って楽しもう!
●information
那賀川の桜並木・「田んぼをつかった花畑」と足湯
住所: 静岡県松崎町那賀
アクセス: 伊豆急行線蓮台寺駅から松崎方面行きバス約35分。「桜田」「ユースホステル」または「建久寺」下車すぐ
花見は「桜葉アイス」とともに
松崎町は桜の花見だけでなく、「桜葉の塩漬け」が古くからの特産品。オススメする理由(3)は、この桜葉を使った名物「桜葉まんじゅう」や「桜葉アイス」だ。
松崎町の名産品が集まっているのが、道の駅「花の三聖苑伊豆松崎」。食事処「天城山房」には、地場産品の売店が併設されている。
中でも断然オススメなのが「桜葉アイス」(税込310円)。以前は食事処の名物デザートであったが、近年は透明なプラスチックカップ入りで販売され、気軽にテイクアウトできるようになった。
「桜葉アイス」の味を例えるなら、桜餅のような風味。多くの人にとって、桜餅は桜葉を食べる唯一の食品であろうから、真っ先に連想するのは当然とも言えるだろう。しかし、塩漬けなので漬物の要素もあり、味わい深さに感動するに違いない。「桜葉アイス」をそのまま食べてもおいいが、花見をしながら食べれば感慨深さもひとしおだ!
●information
道の駅「花の三聖苑伊豆松崎」
住所: 静岡県松崎町大澤20-1
アクセス: 伊豆急行線蓮台寺駅から松崎方面行きバス約30分。「花の三聖苑」下車すぐ
今度は宿泊先を。筆者が西伊豆松崎温泉郷で一番オススメしたいのが、理由(4)となる「桜田温泉 山芳園」だ。そんな山芳園の魅力とともに、松崎町中心部のオススメ観光スポットを紹介しよう。