『saku saku』で生まれたブーム&流行語
『saku saku』では、番組内の発言や勢いから、さまざまなブームや流行語が生まれた。あかぎあい時代のブームといえば、「仮面ハライター」や「ファックスジャンプ」「シーガイヤ!(ヤーイガシ!)」などが思い出される。木村カエラ時代には、「巨神兵がドーン!」フィーバーが巻き起こり、ジゴロウの必殺技としてはもちろん、サクサカー同士で「巨神兵が?」「ドーン!」(さらに「おっことぬしが?」「ブモー!」)などのあいさつにも使用された。さらに「フォッサマグナ」「鮭の産卵」「シャチホコ」、ヴィンセント時代には「ツバカッター!」「ボルケーノ!」といった必殺技が「屋根の上」で繰り出され続けた。
中村優時代では、中村の「DAISUKI!」ポーズのほか、「どっかで誰かがバルス!」、「あーっ! 目がーっ! 目がーっ!」などラピュタネタがブーム。三原勇希時代では、「三原マジック!」「武者返し」「萌え顔」「タニュー」のポーズ、さらに、三原の友人「マホコ」などが大きな話題を呼んだ。
また、トミタ栞時代には、トミタの「タメパンチ」や「ブラマヨ小杉のマネ」、怒られた人の体を小さくする「豆天狗ー!」などが猛威をふるっていた。そのほか、イベントにおいて、カンカンや、ギフト☆矢野が登場すると、サクサカーが大ブーイングで声援するスタイルもお馴染みの光景。そして、「カシカシ」では、おはようのあいさつ「おはピヨ」や、さようならのあいさつ「サクナラ」などが定番化し、NANAE時代には「おはっぷす」のあいさつや、出演者の似顔絵を募った「N(似顔絵)-1グランプリ」などがブームとなった。
そして忘れてはならないのが、「屋根の上」時代の人気コーナー「みんなでうたおうZ」。神奈川を中心としたご当地ソングをはじめ、出演者のテーマソングなど、数多くの歌が披露された。このコーナーで歌われた曲は600曲を超えるが、驚くべきはほとんどの曲を黒幕が作詞・作曲していること(すべての曲を繋げると27時間以上にも及ぶ)。
ちなみに昨年、著者がツイッター上で「みんなでうたおうZ」のベスト10を個人的に募集をしたところ(回答者数45名)、1位「サクサカーのうた」、2位「海老名のうた-ゴイゴイに捧ぐ-」、3位「伊勢原のうた」、4位「杵築のうた」、5位「八丁畷のうた」「三島のうた」というサクサカーなら誰もが知ってる名曲が数多くランクインする結果となった。
「カシカシ」時代では、上々軍団が学生時代に結成したというバンド「岡ちゃんバンド」の曲「バイバイみんな」「FREE MAN」「記憶の片隅」「僕らに愛を」を全力で歌い上げたほか、さわやか五郎作詞・作曲の「ランドマークタワーで秘密のデート」を番組やイベントで歌い、サクサカーの間で「名曲だらけ」と評判となった。
『saku saku』で輝きを放ったアーティストたち
『saku saku』では数多くのアーティストたちがトークを繰り広げたが、中でも番組でコーナーを持ち、『saku saku』ならではの顔を見せてくれたアーティストもいた。番組当初の「それ行け! ちくわ部」や「週刊コブクロ塾」を受け持ったコブクロをはじめ、DEPAPEPEの「インストDE委員会」、Rihwaの「リファのソング・ファクトリー」などがあった。一風変わったところでは、「新星堂・神奈川県内週間CD売り上げランキング」に元「さくら学院」メンバー・菊地最愛と水野由結が登場し、カリフォルニア米との不毛なトークを繰り広げた。
また、出演時に強烈な個性を放ったのが、毎回緑系の服を着て体を透けさせた一青窈や、黒幕とコラボし、「練馬のうた 第二章」を完成させたオーノキヨフミ、DEPAPEPEに続く番組の最多出演者・いきものがかりも、ほかの番組では聞けない私生活の部分を披露してくれた。そのほか、声優の林原めぐみが出演した際には、林原がイラストを披露したり、『新世紀エヴァンゲリオン』を一緒に視聴しジゴロウを悶えさせたこともあった。
『saku saku』事件簿
『saku saku』はその奔放なトークが魅力で、予期せぬ化学反応が起こることもしばしば。あかぎあい時代には、ジゴロウグッズが2か月前に発売されたにもかかわらず、あかぎが視聴者のオリジナルグッズを見て「これなら、かいたい」と発言し、ジゴロウに詰め寄られたり(実際には"買いたい"ではなく"飼いたい"であった)、「セミを喜ばせる話題は?」と聞かれ、あかぎが「あと、何日なの?」と回答。ジゴロウから「死のカウントダウンしなきゃいけないの?」と返されたりして、視聴者の笑いを誘った。また、当時漢字が苦手だった木村カエラが小児科を「こじか」と読んでしまったエピソードは、もはや伝説の領域。
さらに、中村は、デビューシングル「Questions?」の収録風景が放送されたが、運悪く(?)ハモリのパートだったため、「…クエスチョン! …クエスチョン!」と連呼するシュールな姿をお茶の間にお届けすることとなった。三原勇希は腕を骨折したばかりに「骨折のうた」をヴィンセントに作られてしまうという展開に。また、トミタは、ちくわぶを食べた際に「モチャモチャする」「あの物体に歯を入れるのがイヤ」とコメントし、キョーレツな拒否顔を番組で披露。出演者と視聴者を爆笑させた。
そしてNANAEは、さわやか五郎が地元・沖縄ロケをNANAEに内緒で敢行し、愛犬と公園で散歩する姿を見た時、懐かしさや驚きなどの感情が押し寄せて大号泣したシーンが記憶に新しい。その号泣っぷりについてNANAEは、DVD&Blu-ray発売記念イベントにおいて「番組ラストより泣いた」と告白している。
『saku saku』はどんな番組だったのか。
『saku saku』の最大の魅力は、やはり、視聴者との距離感。投稿メールを、ただの1コーナーの補足として扱うのではなく、MCが一緒になって笑って、共感して、突っ込んで、転がしてくれた。昔は一部のコーナーの採用者にはプレゼントがあったものの、見返りはほとんどない。ただ、MCに見てほしくて反応してほしくて投稿してしまう……そんな風通しのいい、視聴者密着型の番組であった。
なにごとも長続きしなかった筆者も、『saku saku』の風通しのよさに引きこまれたサクサカーの1人。毎週かかさずイラストを投稿したり、ネタのために白井ヴィンセントのマスコットを毎週1体ずつ2年間買い続けて100体集めたり、「みんなでうたおうZ」で歌われた歌のリストを11年かけて完成させたりと、気が付けば生活の一部となっていた。そんな『saku saku』が2017年3月31日をもってついに終わりを迎えた。非常に残念だが、素晴らしい番組と出会えたことに感謝し、最後はサクサカー・「川崎市宮前区ぱぴい」として締めたいと思う。
黒幕さん、あいちゃん、カエラちゃん、優ちゃん、勇希ちゃん、栞ちゃん、NANAEちゃん、あゆくまちゃん、カンカン、ギフちゃん、浪人さん、米さん、IKAさん、ゴイゴイさん、啓太兄ぃ、五郎さん、本当にありがとう!! そして、ViVa! かながわ、ViVa! 県民、ViVa! サクサカー!
もちろん最後は、サクナラ~!!