東京土産の定番「東京ばな奈」。今や知らない人はいないほどメジャーな存在であるが、「なぜ東京でバナナ? 」と思う人は多いはず。もしかしたら、あまりに身近すぎて疑問すら抱いたことがない人もいるのでは。そこで、東京ばな奈をはじめとする銘菓を製造販売しているグレープストーンに話を聞いてみた。

「東京ばな奈」8個入税込1,029円。その他、4個入り、12個入り、16個入りも用意

「日本中のみんなが大好きな味だから」

質問に答えてくれたのは、広報の村野さん。まずはストレートに「なぜ東京銘菓がバナナモチーフなの? 」との疑問を投げかけたところ、返ってきたのは「日本中のみんなが大好きな味だから」とのシンプルな回答だ。

村野さんによると、ビジネスやレジャーで発展してきた東京には名産品がなかったため、商品開発にあたって「お土産と言えば、その土地土地自慢の食材や名産品」という既成概念を忘れることにしたという。

では、日本中からいろんな人が集まってできた街には何がふさわしいだろう? そう考えた時に自然と浮かんだのが、「全ての世代が楽しめる味」。そして、その代表格とも言える食材として浮かんだのがバナナだったのだ。

「ご年配には憧れの舶来の味。大人や子どもにとっては遠足やおやつの味。楽しい思い出と一緒にいるバナナなら、みんなに喜んでもらえると思ったんです」。

もちろん、味や原料にもこだわりがある。本物のバナナを丁寧に裏ごししたバナナピューレから作るオリジナルクリームは、バナナ本来の自然なおいしさを堪能できるカスタードクリーム。スポンジは、とろんとなめらかなバナナカスタードクリームに合うよう、しっとり柔らかなやさしい口当たりに仕上げているのだ。

実は元祖・東京ガール!?

さて、誕生の経緯は明らかになったが、次に気になるのが名前の由来。「バナナ」ではなく「ばな奈」にしたのはなんでなの?

「元気でオシャレな東京ガールをイメージして作ったからです。つまり、『東京ばな奈』は女の子。パッケージに描かれた『東京ばな奈』がリボンをつけているのもこのためです」

パッケージのばな奈はリボンを装着

なんと! そんなかわいい理由とは知らなかったが、そう聞くと、ここ最近のラインナップがどれも見た目にもキュートなのが納得だ。

バナナシェイク味の「東京ばな菜の花」はお花柄、メープルバナナ味の「東京ばな奈ハート」はハート柄、キャラメル味の「東京ばな奈がぉー」はとらねこ模様、バナナプリン味はキリン柄、チョコバナナ味はひょう柄と見た目にも楽しいラインナップだが、どのばな奈もそれぞれにぴったりのリボンでおめかししているのだ。

ちなみに、生地を焼いてからプリントするのではなく、違う味の生地と一緒に焼き上げているのだとか。

お花柄でちょっぴっりメルヘン

(左から)ハート柄、とらねこ模様

(左から)キリン柄、ひょう柄

さらに、最新作の「東京ばな奈カステラ」のばな奈はシックなリボンをまとい、古風な面も併せ持つ現代っ子であるかのようだが、「カステラ職人が代々磨きぬいてきたおいしさを封じ込めた、ざらめ糖の香りとバナナの風味は楽しい一品」とのことで大いに納得。ちなみにこちら、東京駅の店舗でしか入手できないレアな品なのだとか。

東京ばな奈カステラ4個入税込648円

アレンジで絶品スイーツを

最後に、定番の東京ばな奈をたっぷり楽しむアレンジレシピを尋ねたところ、教えてくれたレシピは、「フレンチトースト風 東京ばな奈」。東京ばな奈を牛乳にしみこませた後、フライパンにバター4gを溶かして弱火で温め、バターがキツネ色になったところで東京ばな奈を投入してさらに弱火で6分焼き上げるだけ。

これなら、料理が苦手な人でも上手に作れること間違いなし。本格フレンチトースト風の「カリッ×じゅわっ」を楽しみたいなら牛乳60ml、ソフトなバナナ風味を楽しみたい人は牛乳30mlで作ればおいしさが倍増するのでぜひお試しを。

その他、冷蔵庫で冷やしたりアイスのように凍らせたりするのも一手。シンプルで飽きの来ない味だからこそ、さまざまにアレンジして楽しんではいかが?

おもてなしにもぴったりな、フレンチトースト風 東京ばな奈