日産自動車「ノート」が新車乗用車販売台数ランキングでトップに立ったのは記憶に新しいが、コンパクトカー市場では今後も有力車が続々と登場する予定で、トップ争いは混戦が予想される。スズキは「スイフト」のフルモデルチェンジで小型車販売を加速させる構え。トヨタ自動車と本田技研工業も人気車種に改良を加える予定だ。2017年はコンパクトカー市場から目が離せない。

発売後3週間で2万台を受注し、トヨタ「プリウス」を抑えて新車乗用車販売台数ランキングのトップに立った日産「ノート」

プリウスVSノートの戦いに割って入りそうな小型車は

2016年の新車乗用車販売台数ランキングで、1月から10月まで首位をキープしてきたトヨタ「プリウス」に代わり、11月は日産のノートがトップに躍り出たことは、以前にも記したとおりだ。11月初めのマイナーチェンジで追加された、「e-POWER」と呼ばれる新しいパワーユニットが人気を博していることも書いた。

おそらく2016年12月の販売台数ランキングも、ノートとプリウスの首位争いになるだろう。しかし2017年1月以降は分からない。この2台に割って入る、新たなコンパクトカーの出現が予想されているからだ。

コンパクトカーは今までも着実に売れていた。2016年は10月までプリウスの独り勝ちだったけれど、2015年以前は同じトヨタの「アクア」やホンダの「フィット」が首位の座にあった。

日本市場にフィットした車格

日本でコンパクトカーが注目されたのはバブル景気が弾けた頃。そんなさなかの1992年1月に発表となった2代目日産「マーチ」は、親しみやすいデザインと合理的なパッケージング、走りの性能の高さなどが相まって、日本車で初めて欧州のカー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど高い評価を得た。

その後、このクラスにトヨタが「ヴィッツ」、ホンダがフィットを投入。ヴィッツは欧州人デザイナーによる斬新なデザイン、フィットは燃料タンクを前席下に収めた革新的なパッケージングを武器に、マーチを含めた三つ巴の戦いを繰り広げた。

プリウスがブレイクするのは2003年に発表した2代目以降であり、それまでは「コンパクトカー御三家」と呼ばれたこの3台が、当時の王者トヨタ「カローラ」に挑む構図だった。その構図が、主力がハイブリッドカー(HV)に切り替わった今も続いているわけで、この国に合った車格なのではないかと思っている。