北大阪急行電鉄は国土交通大臣宛てに旅客運賃上限変更の認可申請を行ったと発表した。申請した改定率は平均11.6%で、初乗り運賃は現行の90円から100円に値上げとなる。

北大阪急行電鉄の新型車両9000形。2017年4月に1編成増備される予定

初乗り運賃(2kmまで)以外の普通旅客運賃は、4kmまで120円(現行110円)、6kmまで140円(現行120円)。定期運賃の平均割引率も改定され、通勤定期は現行運賃より3.5%、通学定期も2.8%引上げとなる。これにより、通勤定期は最も短い2kmまでが現行3,280円から3,600円に、通学定期の2kmまでは現行2,000円から2,120円に値上げされる。

北大阪急行電鉄は運賃改定の背景について、輸送人員の長期的な減少傾向が続く中、老朽化が進む車両や駅施設の入替え、リニューアルなどが急務となっていると説明。安全輸送の確保と利便性向上のために必要な経費の一部を利用者に負担してもらうことで、経営の健全化を図りたいとしている。同社の試算によれば、現行の運賃のままでは2017年度からの3カ年の鉄道部門収支は16億9,600万円の赤字となるが、運賃改定によって赤字額を3,800万円まで圧縮できるという。

主要区間の現行運賃と申請運賃。初乗り運賃は100円となる

具体的な設備投資計画としては、今年度から各駅のトイレ改修や桃山台駅ホーム上屋・緑地公園駅ホームひさしの改修、各駅改札口の改造工事など、各駅のリニューアル工事に着手。千里中央駅、桃山台駅、緑地公園駅では可動式ホーム柵の設置を進めるほか、2017年4月には新型車両9000形を1編成増備し、合計4編成とする。