1人の女性の"愛と復讐"の20年を描く刺激的な内容が話題の連続ドラマW『賢者の愛』(WOWOWで現在放送中 毎週土曜 22:00~全4話)で、主演を務める中山美穂がこのほど取材に応じ、“復讐”というキーワードについて「どんなに心を痛めても結局、(相手を)許さないと先には進めないのではないか」と自身の考えを披露した。
同ドラマは、直木賞作家・山田詠美の同名小説を原作に、谷崎潤一郎の『痴人の愛』になぞらえ、主人公の高中真由子(中山)が、親友・朝倉百合(高岡早紀)と初恋の人(田辺誠一)の間に生まれた息子・直巳(竜星涼)を、20年かけて自分好みの男に調教していく物語が描かれる。
"悪女"的ニュアンスを持つ女性を演じるのは「これが初めて」という中山は、「元々そういう役をやってみたかった」と笑顔。「これまでは"ヒロイン"的な役回りが多かったですし(笑)」と胸中を明かし、「山田詠美作品は20代の頃、よく読ませていただきました。憧れもあったんです」と喜びを語った。
取材陣からは"愛と復讐"のキーワードから"愛"についての質問も。「真由子と直巳という"調教"の関係にも愛はあるのか?」との問いには「歪ではありますが、これも1つの愛」と回答。すかさず取材陣が「では中山美穂さんにとっての愛とは?」と言及すると、中山は熟考ののち「自分の想いだけでは成立しないものじゃないでしょうか」と答える。
その理由について中山は「『好き好き』だけの気持ちを私は愛とは思わない」ときっぱり。「人を理解するとか、分かり合うとか…無関心にならず、突き放さず…そういった努力ができることが“愛”なのではないかと思います」と持論を展開した。
"復讐"についての質問には、中山は自身を「復讐心を長く持ち続けられないタイプ」と分析。「憎しみを忘れるには時間がかかりますし、大変です」と、言葉を選びながら話し、「だけどどんなに心を痛めても結局、許せないと(自分も)先には進めない。私は忘れるより許すことのほうが大切に感じます」と想いを締めくくった。
本作は今後、真由子と百合、双方の知られざる過去が明かされ、衝撃の展開を迎えていく。中山は「人間の醜さ、汚さもしっかりと描かれた(稀有な)ドラマ」とPR。視聴者へ「ドラマだからこそ描けるテーマもある。きれいごとじゃない人間らしさなどを(本作から)感じてもらえたらうれしいですね」とのメッセージを送っていた。連続ドラマW『賢者の愛』はWOWOWプライムにて放送中(毎週土曜 22:00~)。また、9月9日の深夜0時より、1~3話を最終話直前に一挙放送。