Ashes of the Singularity(グラフ9~18)

Oxide Games
http://www.ashesofthesingularity.com/

テスト結果を紹介する前にゲームでの制限について触れておきたい。Ashesの場合、アプリケーション側で"Multiple GPU"への対応をうたって(Photo03)のだが、これが有効になるのはDX12の場合のみである。今回はRadeon設定で強引にCrossFireを有効にしたが、アプリケーションからは未対応というか、1枚のGPUで動かしているように見えているはずだ。DX12ではこのチェックボックスを有効にした。

Photo03:VSyncのチェックボックスは色が明るいが、その下の"Enable Multiple GPUs"はチェックボックスが暗くなっており、実際チェックもできない

さてAshes of the Singularityの場合、サマリーの形で出されるのは平均フレームレートのみであるが、その代わり全体の平均意外にNormal/Medium/Heavy、という3種類のBatch Sizeでの平均フレームレートも出してくれるという面白い機能があるので、このあたりを利用して比較してみた。

さてまずはOverall、グラフ9がDX11、グラフ10がDX12である。非常に分かりやすいというか、顕著というか。DX11においてはRX 480 CFの性能は解像度にもよるが何とかR9 390/390X程度といったところで、4KでやっとGTX 970に並ぶ程度でしかない。一方、DX12にするとGTX 1080にはやや劣るもののGTX 1070は完全に上回るスコアになっている。

ではBatch Size別に見てみると、まずは比較的サイズの小さいNormal Batch(グラフ11と12)の場合、DX11/DX12ともに性能のあがり方はいまひとつである。DX11の場合RX 480シングル構成と比較して30%弱程度、DX12でも50%前後といったところ。ただDX12だと4Kでの性能の落ちなさは特徴的ではあるが。性能もここだけはダブルスコアに近い。

これがもう少しサイズの大きなMedisum Batch(グラフ13と14)になると、もう少しRX 480 CFの性能が上がり始める。特にDX12ではGTX 1080にかなり肉薄するまで性能が改善しているのがわかるし、DX11でもまだ低いとは言え、R9 390Xと同等レベルに達している。

一番顕著なのがHeavy Batch(グラフ15と16)で、DX11だとAMD系が全部停滞して30fps前後なのに対しNVIDIA系がすべて50fps前後(除4K)と堅調なのに対し、DX12ではついにRX 480 CFがGTX 1080を上回るスコアを出している。

DX11に関して言えば予想通りというか、Batch Sizeでここまでメーカー毎の性能差があるとは思わなかったというか、まぁアーキテクチャというか設計方針の差が出た感じがある。

DX12は? というと、DX12にすれば何でもかんでも性能改善するわけではなく、やはりCrossFire(や、おそらくSLIも)で性能改善するのはBatch Sizeが大きい(≒負荷が大きい)方が効果的という結果になったのはある意味納得である。

あと、RX 480 CFは確かに効果的であるが、これをカード1枚で実現するGTX 1070/1080も凄い(もっとも値段も違うが)。ではRX 480単体は?というと、やや分が悪い感じなのは否めない。もっとも価格性能比で考えるとまた別の議論になるのだが。

最後に、4Kにおけるフレームレート変動を示す(グラフ17と18)。両方を見比べると、DX11とDX12でRX 480 CFのフレームレートが本当にはっきり違うことがわかる。DX11ではCrossFireにする意味が無いといっても過言でないほど性能が低めで、これならR9 390Xの方がマシという感じであるのが、DX12では俄然性能アップしており、かなり実用的な性能になっているとして良いだろう。