東京商工リサーチは7月20日、「全国書店1,128社の業績動向」調査の結果を発表した。本調査は同社企業データベースから、主業種が「雑誌・書籍小売業」のうち、業績が3期連続で比較可能な1,128社を抽出、分析した。売上高、利益金は2015年度を最新決算としている。

売上は8割が「減少」「横ばい」

1,128社の売上高合計は、最新期で1兆47億2,700万円(前期比0.6%減)で、前期から63億2,600万円減少した。前々期から前期は230億2,300万円(同2.2%減)減少、減少幅は縮小したとはいえ減収傾向が続いている。最新期の「増収」は255社(構成比22.6%)と2割にとどまり、467社(同41.4%)が「減収」、「横ばい」が406社(同35.9%)だった。

書籍・雑誌小売業1,128社の業績

また、最新期(判明454社)の損益が「黒字」は355社(構成比78.1%)に対し、「赤字」は99社(同21.8%)だった。

書店1,128社の最新期決算のうち、売上高1億円未満は643社(構成比57.0%)で、約6割を占めた。全国規模で事業展開する売上高100億円以上の大手は17社(同1.5%)にとどまった。小・零細規模が大多数を占める業界構造が特徴といえる。

売上高ランキングを見ると、1位は1927年創業の業界最大手で国内外に約100店舗を展開している、紀伊國屋書店(売上高1,086億3,200万円)。

書籍・雑誌小売業の売上高ランキング

2位は、丸善書店にジュンク堂書店が経営統合するかたちで発足した丸善ジュンク堂書店(売上高759億700万円)、3位イオングループの未来屋書店(同548億4,600万円)、4位首都圏地盤の有隣堂(同524億1,500万円)、5位中国地方を地盤とするフタバ図書(同348億2,100万円)と続いた。