作家の室井佑月さんが自らの子育てについて語った

毎日新聞出版はこのほど、作家・室井佑月さんの新刊エッセイ『息子ってヤツは』を出版。これにあわせてトーク&サイン会が紀伊國屋書店新宿南店にて開催された。ゲストには室井さんのほか、長女との日常ネタをつづった『芸人と娘』の著書を持つお笑い芸人、ザ・ギースの尾関高文さんらが招かれ、子育てをテーマにしたトークを展開した。

室井さんの新刊『息子ってヤツは』は、息子の中学受験を中心とした子育て奮闘記。子育てに悩む日々をおくった8年間が珍エピソードとともにつづられている。

室井さんと尾関さんは、ラジオ番組で共演して以来親交があり、室井さんの息子とも面識があるとのこと。「自分は勝手に死ぬので、将来息子がどう育ってもかまわないという文章に感動した」と尾関さんが本の感想を述べると、室井さんが「でも死んでからもストーカーみたいに息子がどうなるかみていたい。息子が撮る写真にも(幽霊になって)写りたい」と返すなど、イベントは軽妙なトークでスタートした。

中学から寮生活を送っているという室井さんの息子。室井さんは息子を寮に送り出す際、「周りを冷静に観察し、相手をまず知ることが大事。居心地がいい場所を探し出せる男になってほしい」との言葉を投げかけたという。

「どういうところでも生きていけるのは大事。何かを発言したりとか、自分の意見を押し出したりしたいときも、他社の中の自分、自分の居場所がどうなっているのかを確認するのは大切ではないか」とその真意を語っていた。

また尾関さんに娘の育て方について相談されると、「もし娘がいたら、妊娠・出産しても仕事に戻れるように、資格取得を勧めたかもしれない」と回答。男の子と女の子の育て方の違いについて「息子には何度失敗しても立ち上がればいい、ずうずうしくいけと教えたけれど、女の子だったら逆に、きちんと断れる力を身につけさせたと思う。男の強さは以外とポキっと折れやすいが、女はどこでも仲間を作って生きていく雑草みたいな強さがある。だから逆の強さを教えたい」と語っていた。

さらに娘がうまれていたらどういう母になっていたか尋ねられると、「正直に言うと”自分の方がかわいい”ってライバル心が出るかもしれない。もしボーイフレンドでいい男を連れてきたら少し嫉妬するかもしれないし、ダメ男だったら心配になるだろうし、ちょうどいい男を連れてきてもつまんないって思うと思う」と答え、会場の笑いを誘っていた。

最後に「(子どもは)私はイケてるという自信を持って堂々と生きていければ大丈夫だと思う。あとは愛情。子どもは親が絶対に自分のことを愛してくれると思えたら何も怖くない。愛情を注ぐことが大事」と、子育ての極意について語り、イベントを締めくくった。