俳優・小栗旬が、人気漫画を実写化する映画『銀魂』(2017年公開)で主演を務めることが1日、発表された。

主人公・坂田銀時とそれを演じる小栗旬

原作は、空知英秋氏が漫画誌『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の同名コミック。強烈なギャグセンスと激しいアクション、厚い人情も見られる作風で5,000万部を記録し、これまでTVアニメや劇場アニメなどのメディアミックスも好成績を収めてきた。舞台は、パラレルワールドの江戸。宇宙からやってきた"天人 (あまんと)"の台頭と廃刀令により、隆盛を極めた侍が衰退の一途をたどっている時代を背景として、己を信じる侍魂を堅持する変わった男・坂田銀時と、ひょんなことから出会った仲間の身に起きるさまざまな事件を描く。

小栗が演じるのが、この万事屋(なんでも屋)の主人公・銀時。天然パーマの銀髪が特徴で、向上心ゼロの怠け者だが、剣の腕はかなりのもので、かつて攘夷(じょうい)戦争に参加し"白夜叉"と称される伝説の侍だ。普段は気が抜けているものの肝心な時には、しっかりした面持ちを見せるギャップから、多くの女性ファンを獲得している。原作ファンの小栗だが、27巻には"小栗旬之介"というパロディキャラも登場していた。

原作1巻書影

脚本を執筆しながらメガホンを取るのは、『HK 変態仮面』シリーズやTVドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズなどで知られる福田雄一監督。実写映画化のうわさが出る度に「福田雄一で」「福田雄一だったら見る」という声も上がるほどで、実写企画が幾度となく集英社に持ち込まれる中、今回実現に至ったのは福田監督によるところが大きかったという。

「空知先生から大切な作品を任せていただいたこと、本当に光栄です」と力強く告げる福田監督。原作の空知氏からは「『福田監督ということは今回ももちろん低予算ですよね!』と言われた」と振り返るが、「『銀魂』ともなると、残念ながら? たくさんの予算を頂けました」と明かし「原作の魅力を実写化でも表現できればと、僕が確たる信頼を寄せている最強のキャスト、スタッフに集結していただきました」と強調する。

そんな空知氏は「メンバーが豪華だろうと原作が原作ですから基本泥舟」とコメント。「原作の実写化はイメージと違うとたたかれるのが常」と前置きしながらも「もう今更何をやっても読者の皆さんの『銀魂』のキャラ像はブレないと信じていますし、ここに集まってくれた方々はそういう覚悟もした上で、それでも泥舟でもいいから『銀魂』に乗りたいと言ってくれた方々」と信頼を寄せる。その上で、「そんな人たちの作るまた別の形の『銀魂』ならコケてもいいから見てみたいな、見てもらってもいいかなと思ったのが実写化をうけた僕の率直な気持ちです」と胸の内を打ち明けている。

メガホンを撮る福田雄一監督

さらに松橋プロデューサーは、「連載がクライマックスに向けて大いに盛り上がっている今というタイミングと、そして何より、福田雄一という作品と相性がピッタリの稀有(けう)な作家で作りたい、という提案に空知先生も興味を示してくれました」と今回の実写化実現を補足。「それ相当の覚悟で、福田監督もリスクある舟に乗ってくれました」とし、「私は何も心配していないし、ファンの皆さんにも期待してほしい」と呼びかけた。

(C)空知英秋/集英社 (C)2017「銀魂」製作委員会