2005年に公開された劇場映画『仮面ライダーTHE FIRST』と、2007年に公開された続編『仮面ライダーTHE NEXT』の2作品が、2016年8月3日に東映ビデオから待望のBlu-rayとなって発売されることが決定した。
本作は、1971年から放送を開始した特撮ドラマ『仮面ライダー』のリメイク的作品。原作者である石ノ森章太郎氏が手がけたコミック版『仮面ライダー』のテイストをも盛り込んだシリアスタッチのドラマ展開や、激しい肉弾戦を中心としたアクションシーンなどが魅力となっている。
2作品を収めたBlu-rayには、新たに映像特典として仮面ライダー1号/本郷猛役・黄川田将也、仮面ライダー2号/一文字隼人役・高野八誠、仮面ライダーV3/風見志郎役・加藤和樹が久々に結集。『THE NEXT』の監督を務めた田﨑竜太氏と、両作でアクション監督を務めた横山誠氏(AAC STUNTS)を交えての座談会の模様が収録される。
『THE NEXT』公開から9年という歳月が過ぎ、出演者やスタッフたちが精魂込めて作り上げた『仮面ライダーTHE FIRST&NEXT』を振り返ってどのような裏話が飛び出すか、大いに期待が持たれる。ここでは、5月16日に東映東京撮影所内で行われたマスコミ会見の模様をお届けしよう。
会見の席では、それぞれのライダーたちが劇中で乗用するサイクロン(1号)、サイクロン(2号)、ハリケーンが用意され、取材陣の目を引いた。
2作品で主人公の本郷猛を演じた黄川田は、『THE FIRST』から10年という年月が過ぎたことにあらためて驚きつつ、「みんなと集まった時、すぐに10年前に一緒にモノづくりをやっていた空気に戻ることができた」と、スタッフ、キャストとの再会を喜んだ。撮影当時、もっとも力を入れた部分としては「やはりアクションですね。自分はアクションが不得手だと思っていたから、とにかく一生懸命やるしかない。その中でアクション監督の横山さんが"冒険"をしてくれて、長石監督、田﨑監督が自分を信じて、いろいろな動きをやらせてくれた。いま映像を見返すと、すぐ10年前にタイムスリップすることができるほど愛着があります」と熱を込めていた。今回、初めてBlu-rayとして発売されることについては「よい機会なので、たくさんの人たちに見てほしいです。最高画質のBlu-rayで、今まで見えなかった部分も見えるかもしれません」と笑顔で答えた。
改造人間にされながら、拒絶反応(リジェクション)に苦しむ一文字隼人役の高野氏は「こういう機会が持たれ、みんなが集まってそれぞれの思い出話を話し合えたことがよかった」と、Blu-rayの映像特典(座談会)が実現したことを喜びながら、「キャスト、スタッフが実験的なことに挑み、苦労しながら作った『本気』がこの2作品に詰まっています」と、作品の持つ高いクオリティーに言及。
そして一文字隼人の見どころは?と尋ねられると「吐血シーンですね」と語り、肉体の限界を越えてまでも戦う一文字の壮絶さを強調した。今回のBlu-ray化にあたっては「10年前の公開当時はPG-12の作品だったので、あの時見られなかった年代の方にこそ、見てほしい作品」と猛烈にアピール。高野はかつて『仮面ライダー龍騎』(2002年)で仮面ライダーライア/手塚海之を演じた経験があり「ライダーの現場には、独特な思いがある」と、しみじみ語っていた。
『THE NEXT』で本郷、一文字を倒すためショッカーによって生み出された第3のライダー・V3/風見志郎を演じた加藤は「久しぶりなんだけど、そんなに久しぶりという感覚がない」と話しつつ、「以前にも仮面ライダー(『仮面ライダーカブト』の仮面ライダードレイク/風間大介役)に出演しましたが、この映画では自分の寸法を採って作った、この世で一着しかない仮面ライダー(V3)のスーツを着てアクションすることができ、とてもうれしく、印象に残っている」と、作品への愛着をのぞかせていた。
そしてBlu-ray化にあたっては、「僕ら俳優の細かい表情の動きをより鮮明に楽しんでほしい」と、演技に対する自信を見せた。映像特典を収録するため、久々に東映東京撮影所へ来た感想を訊かれると、「遠いな~、と」とつぶやいて周囲を笑わせた後、「母校に帰ってきた感覚と似ています」と、感慨深げに話していた。