熊本県熊本地方で14日21時26分頃に発生した「平成28年(2016年)熊本地震」を受け、JR九州などの鉄道事業者が最新の列車運行情報を随時更新している。九州新幹線は15日、博多~鹿児島中央間の全区間で終日運転見合わせとなった。

九州新幹線は博多~鹿児島中央間の全区間で終日運転見合わせとなった

九州新幹線は熊本市内で回送列車の脱線が報じられた。国土交通省の災害情報でも脱線の状況が説明され、14日夜に熊本駅から熊本車両基地へ向かう途中、回送列車1編成(6両編成)が本線上で全軸脱線したという。「運輸安全委員会が15日より事故調査官3名を派遣して調査を実施」すると国交省。熊本駅発車から約1分後、同駅から約1.5kmの地点で脱線したが、回送列車のため乗客はなく、乗務員にもけがはなかったと報道された。

国交省の災害情報によれば、その他の山陽・九州新幹線の営業列車に脱線はなく、九州新幹線の3列車で地震発生による駅間停車があったものの、15日1時17分までに乗客の救済を完了したとのこと。在来線はJR・民鉄ともに「脱線なし」とされた。

鹿児島本線は宇土駅まで、三角線は全線で運転再開

熊本地震の影響で、15日は九州新幹線や熊本県内の在来線を中心に始発から運転見合わせが相次いだ。九州新幹線博多~鹿児島中央間の終日運転見合わせにともない、「みずほ」「さくら」は山陽新幹線のみ、博多駅発着の運転となっている。

在来線の鹿児島本線荒尾~八代間も15日始発から運転を見合わせたが、点検が終了した区間から順次運転再開。荒尾~熊本間は15時頃から、熊本~宇土間は16時52分頃から再開している。あわせてJR九州は「博多~熊本間で臨時列車の運転を実施します」との情報を出している。残る宇土~八代間は終日運転見合わせが決まった。

JR九州の在来線ではその他、豊肥本線熊本~宮地間、三角線宇土~三角間、肥薩線八代~吉松間も始発から運転見合わせとなり、各区間で線路点検などが行われた。これらの区間のうち、三角線宇土~三角間は16時52分に点検が完了し運転再開。豊肥本線熊本~宮地間、肥薩線八代~吉松間は終日運転見合わせが決まった。

なお、博多~長洲間の特急「有明」、熊本~別府間の特急「九州横断特急」、熊本~宮地間の特急「あそぼーい!」、熊本~三角間の特急「A列車で行こう」、熊本~人吉間の「SL人吉」はすでに終日運休が決まっている。

熊本電気鉄道や熊本市内を走る市電は始発から平常通り運転された。人吉~湯前間を結ぶくま川鉄道は始発から運転を見合わせたが、現在は運転再開している。肥薩おれんじ鉄道は八代~肥後高田間で線路点検中のため、肥後高田駅での折返し運転を実施。南阿蘇鉄道は地震の影響で運転を見合わせている。