東京・文化放送メディアプラスホールにて3月12日、2015年度に活躍した声優に贈られる「第十回声優アワード」の授賞式が行われ、主演女優賞を水瀬いのりが、主演男優賞を松岡禎丞がそれぞれ受賞した。
「声優アワード」は、その年度にもっとも印象に残った声優や作品に与えられる賞で、毎年3月に授賞式を開催。2006年の外画放送開始50周年を機に、声優業界の発展と成長の場として同年度に設立された。今年は2015年10月1日から11月30日の間に一般投票が行われ、選考委員が各賞を選出。記念すべき十回目となる今回の授賞式は2時間半に渡る盛大なセレモニーとなった。
主演男優賞は、リアルな感情表現や繊細ながらもメリハリのきいた演技で多くの視聴者を魅了し、『ソードアート・オンラインII』のキリト役、『食戟のソーマ』の幸平創真役、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のベル・クラネル役、『アブソリュート・デュオ』の九重透流役、『冴えない彼女の育てかた』の安芸倫也役など、数多くの作品で主人公を演じた松岡禎丞が受賞。「この賞は僕一人の力で取ったものだとは思っていません。応援してくださる皆さま、支えてくださった事務所の方々、そしていつもお世話になっております制作会社の方々のおかげです」と殊勝にコメント。そして緊張で手や声を震わせながらも「これからも一表現者としてみなさまに作品を伝えていけたらなと思っています」と役者魂を力強く伝えた。
昨年大ヒットを飛ばした劇場版アニメ『心が叫びたがってるんだ。』において、水瀬は言葉を封じられた少女という難しい役柄の主人公・成瀬順を好演。いきなりの主演女優賞へ抜擢となった。水瀬は子供の頃、キャラクターと話がしてみたいという純粋な夢から声優になろうと思ったと話しながらも、実際に声優になってみてその仕事の難しさや声優が多くの人の力に支えられていることを実感したという。「この仕事を教えてくれた両親を含め、多くの人に感謝していきたいです」と、周りの支えがあったからこその受賞だとあらためて言葉を重ねる。また「まだ二十歳ということで、今日この賞をいただいた自分をゴールだとは思わずにさらなる高みを目指し邁進していき、いつか自分が誰かの夢や憧れになれるようにこれからも声優という仕事を頑張っていきたいと思います」とこれからの意気込みも熱く語った。
また、最多得票賞を5年連続受賞した神谷浩史は声優アワード最多得票賞殿堂入りとなった。ほか、助演男優賞を受賞した鈴村健一は自身が演じる『おそ松さん』のイヤミの持ちネタ「シェー」を壇上で披露。ほかにも歌唱賞受賞のi☆Risや特別賞受賞のA応Pがステージパフォーマンスを行うなど、十回目に相応しい華やかな授賞式となった。
「第十回声優アワード」受賞者は以下のとおり
主演男優賞:松岡禎丞
主演女優賞:水瀬いのり
助演男優賞:鈴村健一l細谷佳正
助演女優賞:伊藤静、早見沙織
新人男優賞:梅原裕一郎、武内駿輔、村瀬歩
新人女優賞:上坂すみれ、高橋李依、田中あいみ
歌唱賞:i☆Ris(山北早紀、芹澤優、茜屋日海夏、若井友希、久保田未夢、澁谷梓希)
パーソナリティ賞:鈴村健一
功労賞:千々松幸子、中村正、野村道子
富山敬賞:森久保祥太郎
高橋和枝賞:井上喜久子
シナジー賞:ちびまる子ちゃん(代表登壇者・TARAKO)
キッズファミリー賞:ピエール・コフィン
最多得票賞:神谷浩史
特別賞:A応P(荻野沙織、桜奈里彩、巴奎依、広瀬ゆうき、水希蒼、福緒唯)
(受賞者50音順・敬称略)
※今回は、特別功労賞に代えて、本年度逝去された声優を顕彰。
※水瀬いのり衣装協力:京都きもの友禅。