TVアニメ『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』の放送開始を前に、原作を手がけた作家・福井晴敏氏らがコメントを発表した。

『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』より

4月3日よりメ~テレ・テレビ朝日系列にて放送スタートする『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』は、OVA版の「ガンダム」としてはBlu-ray&DVD累計出荷数の最高記録を達成した人気作『機動戦士ガンダムUC』をTVシリーズとして再編集したもの。OVAでメガホンをとった古橋一浩監督自らが再構成したもので、オープニング・エンディング曲が新たに製作されることも話題を呼んでいる。

ストーリー 福井晴敏氏 コメント

この春、『機動戦士ガンダムUC』がTVアニメになって帰ってきます。しかもファーストガンダムと同じ、「名古屋テレビ」の系列で(メ~テレのことね、もちろん)。
放映時間は毎週日曜午前7時と早めの時間帯ですが、これは時代の趨勢でしょう。深夜ではなく、お子様もご覧になれる時間に放映できることが、『UC』にとってはとても重要なのです。『UC』は「大人のためのガンダム」でしょ? なんで今さら子供に見せたいの……って言うか、子供受けする要素あると思ってんの?と、すかさず疑問を持たれたあなた、あなたはまったくもって正しい。昨今のマーケティング観点に従うなら、『UC』の今回の放送の仕方は無茶もいいとこという一方の見方はあります。
が、当初はファーストガンダム世代、すなわち大人層に向けて発信された『UC』が、エピソードを重ねるごとに中高生からなる若年層を取り込んでいった事実。加えて、そもそもファーストガンダム自体がハイティーン向けに作られていたにもかかわらず、筆者を含む当時の小学生がガンプラ・ブームから始まる社会現象を底支えしていった経緯を振り返る時、この無茶にこそ閉塞感を突破する何かが宿るのではないか……と、我々は半ば本気で信じてもいるのです。
十年前に企画が立ち上がった時には、想像もし得なかったTVアニメ化――その先にあるものは、やはり十年前の我々には想像し得なかった何かであるかもしれない……というところで、まずは「ガンダム」らしいテレビフォーマットに置き直された『UC』をご家族と、ご友人たちと共有していただければと思います。いまだそこに在る可能性の獣とともに。

古橋一浩監督 コメント

OVA版の作業が終了したのが2014年4月10日の朝でした。それから約2年、TV版として再編集とOP、EDの構成を手掛ける事となりました。感慨深いです。
7年前に聞いたお話では、この作品は大人向けで一時間のドラマ枠でのTV放送に対応した企画だと記憶しているからです。
企画的にやや歪になる所はオリジナルを尊重したためとご理解をいただければ幸いです。イベント上映、パッケージ視聴、TV視聴はその内容は同一でも体感度に大きな違いが出てくるのではないでしょうか。日曜朝七時、今、日本中で同時にこの画面を見ている人が居るという現実を想う事。その距離を伴った一体感。これは初見の人よりも既知の人の方が味わいやすい感覚だと思うのです。
パッケージ、配信をご購入いただいた方、レンタルされた方も日曜朝はぜひ、TVのチャンネルを合わせて『ガンダムユニコーン』の視聴ネットワークを頭の中で体感してみて下さいませ。

バナージ・リンクス役 内山昂輝 コメント

知り合いからのメールで『ガンダムUC』のテレビ放送について知って、びっくりしました。ぼくにとって『UC』は十代後半から二十代にかけての自分が刻まれた、大切な作品です。
反響の大きさも桁違いで、作品が完結して時間が経った今でも、本当にたくさんの他作品のスタッフの方々から「『UC』のファンです!」と言われます。また、長い間一緒にお仕事することができたキャスト、スタッフの方々はとても素晴らしいチームでした。いくつかの海外のイベントに監督やプロデューサーと参加できたことも最高の思い出です。
今回テレビ放送されることで、作品発表当時に『UC』に触れていなかった方々にも本作が届けばいいなと思います。ガンダム世界に詳しい方はもちろん、そうでない方にも響く作品だと思っていますので、ぜひこれを機会に見ていただきたいです。

フル・フロンタル役 池田秀一 コメント

あの『機動戦士ガンダムUC』が『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』としてTVシリーズ用に再編集され放送されることとなり、大変うれしく思います。
先日冒頭のナレーションと次回予告の新たな収録があり、久しぶりに再会を果たし、あらためてフル・フロンタルとの出会いに感謝しています。
数多あるガンダム作品の中でも、この『UC』は特異な存在感を示す作品です。熱いスタッフとキャストと一緒に制作に携わった充実した数年間は、僕にとって貴重な刻となりました。
日曜朝7時という早い時間帯ですが、もうすでに劇場等でご覧になった方も、また初めて見る人にもテレビという媒体を通して皆さんの心にどう響くのか期待する次第です。
君の中のニュータイプが目を覚ます!!

リディ・マーセナス役 浪川大輔 コメント

テレビ放送の決定を聞いて、「よし!」という喜びが湧き上がりました。『ガンダムUC』、このような作品こそたくさんの人に見てもらいたいからです。
難しい単語やキャラクターの関係性など初めは少し戸惑うこともあるかも知れません。しかし、その裏付けは劇場への動員数や DVD&Blu-ray の数字が物語っていると思います。
「ガンダム」シリーズもさまざまなものがあります。子どもの時から大人になっても楽しめるもの。そこは変わらないものであるべきで、今回『ガンダムUC』は子どものゴールデンタイムへ殴りこみです。
キャスト、スタッフがいま持てる全ての力を注いだ今作品。個人的にもクライマックスのアフレコはハチミツをバナージ内山くんと1日中舐めまくりました。見ていただければ、そして見続けていただければ必ず何か心に残るものがあります!

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