富士重工業は24日、2016年ニューヨーク国際自動車ショーにて、スバル新型「インプレッサ」を世界初公開したと発表した。全面刷新した新プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用し、新開発の2.0リットル水平対向直噴エンジンを搭載する。

ニューヨーク国際自動車ショーで公開されたスバル新型「インプレッサ」(5ドア / セダン)

新型「インプレッサ」は5世代目となり、富士重工業の中期経営ビジョン「際立とう2020」における次世代モデルの第1弾となる戦略車の位置づけに。

全面刷新した新プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」は、従来モデル比1.7~2倍という剛性を実現し、効率的に衝突時のエネルギーを吸収するフレーム構造やホットプレス成形材などの高張力鋼板採用拡大による強度の向上により、衝突エネルギー吸収率も従来比1.4倍に引き上げ、安全性を向上させた。重心高を従来より5mmダウンすることで、危険回避性能も向上。パッシブセーフティだけでなく、アクティブセーフティも大幅な向上を果たしている。さらに、車体の共振やひずみを分散し、ステアリングやフロア、シートの振動を低減することで、車格を超えた快適性も実現した。

パワートレインは、従来通り水平対向エンジンを核としたシンメトリカルAWDシステムを全車に標準採用。エンジンは新開発のFB型2.0リットル水平対向直噴エンジンで、ターボではなくNAとしている。従来エンジンから約90%のパーツを刷新し、軽量化と高出力、燃費の向上を実現し、最高出力は152PSに。組み合わせるトランスミッションは改良型リニアトロニックで、レシオカバレッジの拡大と軽量化により、加速性能と燃費を両立。全車にオートステップ変速を採用するとともに、マニュアルモードは7速化した。

新型「インプレッサ」インテリア

デザイン面では、新デザインフィロソフィー「ダイナミック×ソリッド」を量産モデルとして初めて全面採用した。ワイド&ローのスポーティなフロントマスクや、表情豊かなキャラクターラインを採用したサイドシルエットなどが特徴となる。インテリアは先進的なデザインと精緻な作り込みを融合させたもので、すべてにおいてクラスを超えた質感を実現した。同時に、全方位にわたる優れた視界性能、拡大した室内ペースとカーゴルームなど、スバルらしい機能性も追求している。

高い評価を得ている運転支援システム「アイサイト」は引き続き採用される。プリクラッシュブレーキ、前車速追従機能付クルーズコントロール、車線逸脱抑制といった従来の機能に加え、ハイビームアシスト(メーカー装着オプション)やステアリング連動ヘッドランプが新たに装備された。ハイビームアシストはアイサイトのステレオカメラを活用し、前方の状況に応じてハイビームとロービームを自動的に切り替える。後退時自動ブレーキシステムも、「インプレッサ」として初めて採用された。リヤバンパー内部に装着したセンサーが障害物を感知し、ドライバーへの注意喚起、自動ブレーキを行う。

なお、北米向け新型「インプレッサ」の生産地は、従来の日本から米国(インディアナ州、SIA)に変更。生産開始は2016年内を予定している。