保育園不足が叫ばれる昨今、保育園の抽選に漏れた保護者が書いたブログ「保育園落ちた日本死ね」(はてな匿名ダイアリー/2016年2月15日)が議論を呼んでいる。

そんな中、内閣府がまとめた「将来の公共サービスのあり方に関する世論調査」によると、20~30代の子育て世代では、国や自治体の「子育て」サービスに不満を抱いている割合が6~7割に上ることが明らかになった。

公共サービスの満足していない分野

全体では「介護」分野の改革が必要との声

改革の必要性が高い社会保障分野を尋ねたところ、全体では「介護(介護、高齢者支援等)」が59.7%でトップ。以下、「健康・医療(医療や予防・健康づくり等)」が50.9%、「子供・子育て(出産や育児支援等)」が43.5%、「年金」が37.6%、「社会福祉(障がい者や母子家庭への支援等)」が33.8%と続いた。

年齢別にみると、「子供・子育て」を挙げた割合は30代で71%、20代で60.9%と、共に最多となった。一方、「介護」「年金」「社会福祉」の割合は50代(69.4%、47.5%、40.8%)で、「健康・医療」は60代(58.8%)で多くなっていた。

居住地域の公共サービスの満足度を聞くと、「満足している」は計58.7%、「どちらともいえない」は24.7%、「満足していない」は計12.6%。年齢別にみた場合、「満足している」は70歳以上(68.3%)で、「どちらともいえない」は50代(31.3%)で高くなっていた。

「どちらともいえない」「満足していない」と答えた人(644人)に、どの分野に満足していないか問うと、「福祉・介護」が27.3%、「健康・医療」が23.9%、「子供・子育て」が23.0%、「公共施設関連」が20.2%となった。

公共サービスの地域差の有無については、計33.6%が「ある」と回答。一方、「ない」は計43.6%、「わからない」は22.8%となった。都市規模別にみると、「ある」は小都市(39.9%)で、「ない」は大都市(50%)で多くなっていた。

公共サービスの質向上のために、今後、特に力を入れることとしては、「住民の意見をよく聞いて利用者ニーズを把握する」が49.3%で最多。次いで「無駄な施設やサービスの廃止、電子化等による業務改革を進め、利用者ニーズの高い分野に職員を再配置する」が41.8%、「利用時の手続きの簡素化」が32.5%と続いた。

調査期間は2016年1月14日~24日、有効回答は20歳以上の個人1,727人。