JR西日本は14日、225系2次車の報道公開を近畿車輛本社(大阪府東大阪市)にて実施した。阪和線の新車として、2017年度までに計122両を導入する予定だ。

阪和線に導入される225系2次車が完成。報道公開が行われた

阪和線の快速・普通列車は現在、223系・225系の他に103系・205系も活躍している。JR西日本は「中期経営計画2017」における重点取組みのひとつ「魅力ある近畿エリアの創造」に向け、阪和線にも新車122両を導入することを明らかにしており、おもに103系・205系で運用される普通列車も順次新車になるという。

阪和線の新車となる225系2次車の完成を機に実施された報道公開では、JR西日本車両部車両設計室の大森正樹氏が車両概要を説明。「2010年に最初の225系を導入した後、6年の間に北陸本線向けに521系3次車、広島地区向けに227系を作ってきました。これらの車両で取り組んだ安全性・快適性向上のための施策を今回の新車にも取り込んでいます」と述べた。225系2次車の先頭形状は521系3次車や227系に合わせたデザインとなり、これらの車両で特徴とされた先頭部の編成間転落防止ホロも採用されている。

225系2次車の車内は、これまで阪和線に導入された223系・225系と同様、横3列(2列+1列)の転換クロスシートの配置に。大森氏は車内の特徴のひとつに「アシストレバー付貫通扉」を挙げ、「車両間を移動するときのドア(貫通扉)が重く、体重をかけないと開かないこともありました。今回、取っ手を少し工夫し、ドアを開けやすくしています。小さな変化ですが、ぜひ見て体感してほしいと思います」と説明した。

225系2次車の車内

津波等避難用品も装備

車両間を行き来するための貫通扉を開けやすくする工夫も

その他、海岸沿いの区間を走ることも考慮し、避難用はしご・非常灯など津波被害に備えた避難用品も車内に用意される。客室内照明はLED化され、車内Wi-Fiも整備。ドア誤扱い防止装置・戸挟み検知機能・車両異常挙動検知装置なども特徴に挙げられ、さらなる安全機能・サービス機能を付加した車両となった。車体の種別・行先表示器はフルカラーLEDとなり、今回公開された車両(5102編成4両・5101編成4両)は関空・紀州路快速(1~4号車は関西空港行、5~8号車は和歌山行)での表示だった。

この車両は2016年度の営業運転開始に向け、近く試運転を開始する予定。225系2次車は今後、4両編成14編成・6両編成11編成の計122両を導入し、関空・紀州路快速から普通列車まで運用される予定だという。225系2次車の導入にともない、103系など(東羽衣支線の車両も含む)が置き換えられるとのことだった。