社会の厳しさを教えたい

――子育てにおいて、大切にしていることはありますか?

社会の厳しさやルールを教えることです。私はビニールハウスのようにあたたかい梅宮家で育てられたので、家を出たときに社会は「嵐」だと思いました。親に対して、「何で教えてくれなかったの? 」と思うことがあるんですね。20歳のときからずっと働いてきた自分が、社会の波にもまれて得た大切なことは伝えなくてはと思っています。例えば、娘には小さいうちから「あいさつをしないと痛い目を見るよ」と言ってきました。それから、私にほめられるより、他人からほめられるような努力をしなさいということも教えています。

梅宮アンナさんと娘の百々果さん

この前、私の携帯電話が壊れて新しい物を買いに行ったときに、娘から「ママはすぐに携帯電話を買えていいな」と言われたんです。そのときに私は「自分で働いていたら買えるんじゃない? 」と返しました。学校に行って勉強しないなら学費は払わない。何においても、お金を稼がなければいけない、お金がかかるんだということは強く言い聞かせています。

シングルマザーの恋愛・結婚

恋愛、結婚、これからの人生を語った梅宮さん

――著書の中で梅宮さんは、いつか恋愛、結婚もしたいとおっしゃっていますね。

また恋愛をすることが怖くないかって言ったらうそになります。傷つきたくないっていうのはあるし、トラウマもあります。でもそんなことはまた新しく上塗りしていけばいいし、異性と一緒にいることで、私も成長していきたいと思っています。

もちろん、シングルマザーって恋愛するときに、相手にも子どもにも気を遣うことが多いと思います。やっぱり最初から2人の間に子どもをいれるっていうわけにもいかない。男と女がお互いを理解してから、子どもをいれるというのが順番だと私は思っています。だから、最初は子どもを置いていくしかないですよね。2人でデートをしなければどうやって結婚にもっていくのかという話になってしまう。

私の場合は、これから出会うかもしれない人に対して父親になってくれなんて1mmも思わない。2人で関係を築いた上で、娘と仲良くしてくれたらそれでいいんです。「子どもがいながら男の人と付き合うの? 」という人もいますが、そういう経験したことがない人、その家族について何も知らない人が言うべきことではないし、私は柔軟に考えるべきだと思います。

自分の道は自分でしか作れない

――将来、娘さんにはどのような女性になってほしいですか?

今後、娘には海外で学んでほしいです。ここまでくると、私がしてあげられることは何もないと思っているので、私や家族から離れて、早いうちから精神的な自立をしてほしい。また、世界中に友達を作って交流してほしい。グローバルな考えを持っているか、閉鎖的な考えを持っているかで人生の進め方が違うから、海外に行って、もっと柔軟な物の考え方を身に付けてほしいと思っています。

――梅宮さん自身はどんな人生を歩んでいきたいですか?

きちんと、もう1度、梅宮アンナとして日本でお仕事をして、私にできることを皆さんに発信していきたいと思っています。芸能界をやめて、「この男の人と一緒にいようかな」と思った時期もありました。梅宮アンナという人をおざなりにして大事にしなかった。でも、ファッションや、自分の経験を発信していくことを今度は自分の使命としてやりたいと思っています。

これまでの人生、人と違う自分のオリジナリティーを作るということを大切にしてきました。他人は他人。自分で新しいものを作っていくという精神で今まで生きてきました。だから私みたいになりたいと言ってくださる方もいるけれど、人それぞれ背負う物や置かれた立場が違うので、それは違うと思います。自分でどういう風に生きていきたいか、子どもとどんな関係を作りたいか、自分の道は自分でしか作れないから、自分でやっていくべきだと思っています。

「女は『ひとりの時間』に磨かれる」(600円・税別/KADOKAWA)

梅宮アンナ15年ぶりの著書が、文庫書き下ろしで登場! 電撃結婚、出産、離婚――。さまざまな困難を乗り越えてゼロからの再出発を誓い、新たな一歩を踏み出した梅宮アンナ。いま、「母親として、女として、自立した人生を歩みたい」という想いを胸に、仕事と母親業をこなす傍ら、自身の成長のために新しいことに挑戦する日々を過ごしています。本書では、そんな彼女が日々心がけている日常の小さな習慣やファッション、ひとり娘との生活について紹介します。