2015年5月にインドネシアのジャカルタ郊外にオープンしたイオンモール BSD シティ。店舗の立ち上げから参加し、現在はオペレーション部門を統括するゼネラルマネージャーとして働くアドリアン・プラナタさんに話を聞きました。

アドリアン・プラナタさん/インドネシア、ジャカルタ在住/34歳/イオンモール BSD シティ、オペレーション部門ゼネラルマネージャー

■これまでのキャリアの経緯を教えてください。

中学まではジャカルタ、高校時代はシンガポールで過ごしました。シアトル大学に進学し、ビジネス・マネジメントとマーケティングをダブルメジャーで専攻しました。家族や友達など周囲に国外へ留学する人が多く、留学は自然な選択でした。大学に通いながらシアトルのピザレストランで働いたのが最初の仕事経験です。

卒業後はシアトルのテレコミュニケーション会社の財務部門で1年働き、その後シンガポールのリサーチ会社2社で1年と3年、合わせて4年働きました。

2010年にインドネシアに戻り、国内大手のモールデベロッパーに入社して、2011年からプレオープニングマネジャーといって、新店舗の立ち上げを担当する業務に就きました。現地オフィスの手配から、モールの建物やインテリアやテナントの調整、従業員の募集と教育、ありとあらゆる準備です。出店はバリ島など、ジャカルタから離れた場所の場合も多く、6カ月から9カ月間はほぼ現地に赴任している状態。独身のうちは良いでしょうが(笑)、2014年に子供が生まれて、家族のためにもジャカルタにいたいと考えるようになりました。

2014年4月には日系企業へ転職。現在の勤務先であるイオンモールに入社し、前職の経験を生かしてインドネシア第一号店であるイオンモール BSD シティ(2015年5月グランドオープン)の立ち上げから参加しました。現在はオペレーション部門を統括するゼネラルマネージャーとして働いています。

■現在のお給料について教えてください。

具体的な金額はお話できませんが満足しています。これからもさらに自分を高めてキャリアアップしていきたいです。

■自分の国の労働環境で気に入っているところ。満足を感じる瞬間は?

日本やシンガポールに比べるとインドネシアはポストに対する競争率が低くライバルが少ないのでキャリアパスが比較的容易な点は労働環境として良いと思います。

■自分の国の労働環境で大変なこと、嫌な点は?

ジャムカレッ(ゴムのように伸びる時間の意)という言葉もあるように、時間に遅れるのが恒常化しているのは嫌ですね。それからジャカルタは交通渋滞が酷すぎます。

■今の仕事で気に入っているところ。満足を感じる瞬間は?

新店舗の立ち上げは「モールに命を吹き込む」仕事です。イオンモール BSD シティのグランドオープニングは、おかげさまで会社の予想を超える大盛況でとてもうれしかったです。現職のゼネラルマネージャーは、売り上げ増加、テナント誘致、設備管理、メンテナンスなどモール運営全般の戦略、そして何よりも大事な「お客様サービス」を300人以上いるスタッフのトップに立って実行していく業務です。仕事の仕方と戦略が適正であれば結果が出る、結果が見える、とてもやりがいがあります。

■今の仕事で大変なこと、嫌な点は?

今の仕事の大変な点は、モールに来てくださっている数万人のお客様のためにも、決して現状に満足してはいけないということです。より良い戦略について顧客満足について常にアイデアを求めて考え続けています。デスクワークでは答えは出ません。時間があればいつもモール内を巡回しています。オフィスにいる時間より現場にいる時間の方が長いです。

■あなたの「マストビジネスアイテム」を教えてください。

ハンディトーキー。モール内を巡回する際に携帯して現場を見ながら指示を出すマストアイテムです。それからスマートフォン2つ。デスクにいないことが多いのでこれらも手放せません。社外ミーティングはiPad、社内ミーティングはスケジュール帳を使い分けています。

社外ミーティングに使うiPadと携帯電話

社内会議用の手帳

■日本についてのイメージを教えてください。

日本の会社に入る前から日本が好きで、新婚旅行も東京でした。現在の会社に入社してから計5回に渡り日本でマネジメントトレーニングを受け、日本のサービスをこの目で見て、役職者自身が動いていることにとても感慨を受けました。落ちているゴミを見たら拾うし、常に現場を見ている。「言うだけではなく自分が見本になって動く」ことはスタッフ教育の面で非常に効果的です。私も早速実践しています。理解しがたいことは特にありません。日本に住めと言われたら住んでも良いくらい私は日本が好きなので(笑)。

■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何?

日本の紀行番組が好きでよく観ています。次の休みに妻と日本旅行を計画していて、桜が見たいので情報を集めています。

■休みのとりかたは?

仕事の性質上、世の中が休みのときは多忙です。年末年始などのピークシーズン、祝祭日は出勤しています。平常時は日曜日と平日にシフト制で休みをとっています。長期の休暇は、ルバラン(イスラム教の断食明け大祭)の後、クリスマス前、チャイニーズニューイヤーの前に1週間ほどです。休みは家族と一緒に過ごしています。家族サービスと視察を兼ねて他のショッピングモールを見に行くことも多いですね。

■将来の仕事や生活の展望は?

この業界でずっと働いていくのはもちろんのこと、イオンモールのスタッフのひとりとして、インドネシアではユニークな、他とは違う何かを提供していきたいです。今後インドネシア国内にイオンモールが複数展開されていく中で、その立ち上げ、複数店舗のマネジメントをしながら、人材を育てていきたいです。