阪神電気鉄道・山陽電気鉄道は3月19日、全線でダイヤ改正を実施する。一部の直通特急の停車駅を見直し、平日の直通特急・特急をわかりやすいダイヤ設定に変更。阪神なんば線から近鉄奈良線へ直通する快速急行の増発・運転区間延長も行う。

直通特急は阪神電気鉄道8000系(写真左)・山陽電気鉄道5000系(同右)などの車両が使用される

直通特急はおもに梅田~山陽姫路間を結び、昼間時間帯は1時間あたり4本運転。うち2本は神戸三宮~山陽須磨間の各駅に停車していたが、ダイヤ改正で東須磨駅・須磨寺駅は通過となり、各駅に停車する区間は神戸三宮~板宿間に。これにより、板宿~山陽姫路間の所要時間が約2分短縮される。

平日の下り直通特急・特急の梅田駅発車時刻も変更。昼間時間帯と夕方以降の時間帯で異なっていた発車時刻を見直し、11時台から20時台まで、毎時0分から10分間隔で直通特急または特急が発車するダイヤ設定とする。上り直通特急の最終列車(山陽姫路駅23時1分発)は運転区間が延長され、現行の御影行から尼崎行に変更される。

山陽電気鉄道は平日朝ラッシュ時間帯に上りS特急を5本運転しており、ダイヤ改正で利用実態に合わせて運転時間帯を約10分前倒しするとともに、5本すべて阪神本線神戸三宮駅までの運転に変更。同時間帯の上り普通は待避駅を藤江駅・霞ヶ丘駅・山陽須磨駅とし、山陽明石駅での緩急接続をなくすことで、直通特急の東二見駅から山陽明石駅までの所要時間を約1分短縮する。土休日の朝には、現行の上りS特急3本のうち1本を直通特急に変更。上り普通の待避駅も変更され、山陽須磨駅で直通特急・S特急を待避する。

阪神本線では、平日朝ラッシュ時間帯に7本運転される梅田行区間特急の始発駅を青木駅から御影駅に変更。新たに魚崎駅・尼崎駅にも停車する。深夜に特急・急行の運転区間延長も行われ、梅田駅23時30分発の急行は現行の甲子園行から西宮行に、梅田駅24時0分発の特急は現行の御影行から神戸三宮行に変更される。梅田駅24時20分発の列車は平日のみ、特急から急行に列車種別を変更し、停車駅も追加。梅田発の最終列車は同駅24時30分発の尼崎行普通となり、現在より5分繰り上げられる。

武庫川線では、最終列車の発車時刻が武庫川駅23時47分発・武庫川団地前駅23時55分発となり、下り・上りともに最終列車が現在より18分繰り下げられる。

快速急行は朝・夜に列車増発・運転区間延長を実施

近鉄奈良線を走る阪神電気鉄道1000系の快速急行

阪神本線・阪神なんば線・近鉄奈良線の快速急行はダイヤ改正で運転時間帯が拡大される。神戸三宮駅7時4分発の上り快速急行(大阪難波駅から東生駒行普通)、尼崎駅7時7分発・神戸三宮駅7時32分発の下り快速急行(東花園駅から尼崎駅まで普通)を増発し、朝の快速急行の運転時間帯を早めるとともに、朝7時台の甲子園発神戸三宮行快速急行の運転区間が延長(石切~尼崎間普通・尼崎~神戸三宮駅快速急行)され、神戸三宮駅8時53分発(大和西大寺行)・9時17分発(近鉄奈良行)の快速急行も新たに設定される。

平日夜間には、近鉄奈良駅20時38分発の快速急行を現行の尼崎行から神戸三宮行に、近鉄奈良駅22時36分発の快速急行を現行の大阪難波行から尼崎行に、それぞれ運転区間を延長。近鉄奈良線では、近鉄奈良駅を22時18分に発車する大阪難波行の快速急行も増発される。神戸三宮発の快速急行も増発され、平日に同駅21時33分発、土休日に同駅21時2分発の列車を設定。ともに尼崎駅から普通となり、大和西大寺駅まで運転される。

なお、近鉄奈良線では平日・土休日の23時台に運転された大阪難波発大和西大寺行の区間準急を大阪難波駅23時55分発の近鉄奈良行区間準急に変更。近鉄奈良駅への最終列車の時刻を繰り下げる。始発列車の時刻も繰り上げられ、現行の近鉄奈良駅5時14分発の準急(大阪難波行)から、同駅5時10分発の区間準急に変更されるとのこと。