恐竜アーロと人間スポットの友情と冒険を描くディズニー/ピクサー最新作『アーロと少年』(3月12日公開)で長編アニメーション映画初監督を務めるピーター・ソーンは、あるキャラクターのモデルになった人物。そのキャラクターとは、『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)で、カールじいさんと一緒に旅をするボーイスカウトの少年ラッセルだ。
劇中でラッセルは最初、カールじいさんから邪魔者扱いされるが、カールじいさんと一緒に旅に出ることになる。少しうるさくてうっとうしい一面もあるが、どこかほっとけないかわいらしさを持ち合わせるラッセルの愛されキャラはソーン監督も同じで、ソーン監督は"ピクサー1の愛されキャラ"と言われている。
ソーン監督は2000年にピクサーに入社。『Mr.インクレディブル』(04)ではアート、ストーリー、アニメーションの各部門を担当し、『ウォーリー』(08)ではストーリー・アーティストを務めた。そして、『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)の短編映画『晴れ ときどき くもり』(09)で初めて短編映画の監督を任され、本作で長編アニメーション監督デビューを果たした。
プロデューサーのデニス・リームは「彼はこのスタジオでとても愛されているの。彼のことが大好きな人たちがたくさんいて、映画にとっても彼にとってもうまくいくように、一緒に働く人たちはできることを何でも協力していたわ。彼は本当にチャーミングな人よ」とその愛されっぷりを語る。
彼が今まで一緒に仕事をしてきた『Mr.インクレディブル』(04)の監督ブラッド・バードやジョン・ラセター、『トイ・ストーリー3』(10)のリー・アンクリッチ監督も、ソーン監督のことが大好きだそうだ。デニス・リームは「今まで彼が一緒に仕事をしてきた監督たちは、彼の才能にすごい信頼と尊敬の念を持っているのよ。だって彼ら全員が『いつでも電話してきていいよ。助けるためにここにいるんだから』って言っていて、実際に助けようとしていたの」と明かす。
そんなピクサー1愛されキャラのピーター・ソーンの長編アニメーション監督デビュー作となる本作。物語のテーマである"恐怖を乗り越えること"は、彼が実際に人生で感じてきたことがヒントになっているという。「人生において僕はいつも何かを恐れていた。挑戦するとき、いつも何かが僕を引き止めていたんだ。でもそれをどうやって乗り越えるかを考えたよ。そうしたらいつだって、愛が乗り越えさせてくれたことに気付いたんだ」と語り、愛は恐怖も勇気に変える力があるという思いを込めたそうだ。
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