JR九州は2016年3月26日に実施するダイヤ改正の内容を発表した。熊本地区では特急「くまがわ」が運転取りやめとなり、特急「九州横断特急」も運転区間を短縮。肥薩線のD&S列車「いさぶろう・しんぺい」が熊本駅へ延長運転を行う。

鹿児島本線を走行するキハ185系の特急「九州横断特急」。ダイヤ改正で熊本~人吉間は運転取りやめとなる

現行の特急「九州横断特急」「くまがわ」はともにキハ185系を使用。「九州横断特急」は豊肥本線・鹿児島本線・肥薩線経由で別府~熊本・人吉間を結び、別府発4本(うち1本は熊本行、残り3本は人吉行)・人吉発4本(すべて別府行)の計8本を運転。基本は2両編成だが、多客期に増結されることもあった。「くまがわ」は熊本~人吉間の運転で、列車本数は熊本発2本・人吉発1本の計3本となっていた。

来春のダイヤ改正で、「くまがわ」の運転取りやめが決まり、「九州横断特急」も熊本~人吉間が運転取りやめに。熊本~人吉間では、特急列車に代わり、快速列車が4往復(下り1本のみ八代発)運転される。肥薩線人吉~吉松間で2往復運転される「いさぶろう・しんぺい」のうち、下り「いさぶろう1号」・上り「しんぺい4号」が熊本駅まで延長運転を実施する。なお、JR九州は今回の発表で、2017年春頃、新たなD&S列車を熊本~人吉間で運行開始する予定であることを明らかにしている。

肥薩線のD&S列車「いさぶろう・しんぺい」

豊肥本線を走る特急「あそぼーい!」

「九州横断特急」はダイヤ改正を機に3両編成に増やされる一方、2本減便され、熊本~別府間3往復の運転に。現在、別府発が奇数、人吉発が偶数となっている号数も、熊本発が奇数、別府発が偶数に変更される。豊肥本線では、熊本~宮地間の特急「あそぼーい!」2往復のうち1往復の時刻が繰上げに。下り「あそぼーい! 101号」は熊本駅9時47分発、上り「あそぼーい! 102号」は宮地駅11時28分発となる。

鹿児島本線の787系特急「川内エクスプレス」も運転取りやめ

熊本・鹿児島・宮崎地区では、利用状況に合わせた増発や列車の見直しも実施。九州新幹線と並行する鹿児島本線川内~鹿児島中央間で、朝に下り1本、夜に上り1本が運転された787系の特急「川内エクスプレス」は、来春のダイヤ改正をもって運転取りやめとなる。鹿児島地区では鹿児島本線伊集院~鹿児島中央間で朝に普通列車1往復、指宿枕崎線鹿児島中央~慈眼寺間で夕方に普通列車1往復が増発される。

宮崎地区では宮崎空港駅からの普通列車を午前・午後に1本ずつ増発。熊本地区では早朝に鹿児島本線玉名発熊本行の下り普通列車1本を増発し、夕方に豊肥本線熊本~肥後大津間で普通列車を1往復増発する。ダイヤ改正に合わせ、鹿児島本線熊本~川尻間に新駅・西熊本駅も開業。熊本市南部から中心部への利便性向上を図る。