女優の忽那汐里が5日、東京・丸の内TOEIで行われた映画『海難1890』の初日舞台あいさつに、俳優の内野聖陽らとともに出席した。

映画『海難1890』の初日舞台あいさつに出席した忽那汐里

同作は、125年前に串本町樫野崎沖で遭難したトルコ軍艦の乗組員を現地の人々が救助と治療をし、彼らの命を救った「エルトゥールル号海難事故」と、その95年に戦禍のテヘランで取り残された日本人たちをトルコ機が救助した「イラン・テヘラン在住邦人救助劇」という2つの史実を題材とした日本トルコ合作映画。

「エルトゥールル号海難事故」で内野演じる田村のもとで治療を懸命にサポートするハルと、「イラン・テヘラン在住邦人救助劇」で日本人学校教師の春海の1人2役を演じた忽那は「普通の映画の倍以上の時間をかけて、日々手を抜かずに撮影した作品がようやく皆さんにお見せできる日を迎えられて嬉しく思います」と感慨深げに語り、「この作品は合作で、ほかの国でも上映されるという経験は初めてですし、トルコは今月末からの上映ということで、日本の皆さんに一足早く見ていただけるということで、嬉しく思います」と笑顔を見せた。

一方、主演を務めた内野は「トルコの俳優陣たちは国の威信をかけて参加している現場だったので、僕らも日本人としての心を何とか伝えたいと思って、現場に入る前までは自分を落ち着かせる部分がありましたね。それは今までの現場よりも気合が入った部分はありましたね」と熱い胸の内を明かした。

また、同映画に込めた思いを漢字1文字で表す企画で、忽那は"時"と書き「最初にトルコと交友関係を築けたのは、エルトゥールル号がキッカケですが、一世紀以上の時が経ってもトルコの方は覚えてくださっていて、それが後のテヘラン邦人救出劇につながって行ったので、トルコの方が今5年生の教科書でエルトゥールル号のお話を学ぶように、何年経っても人々に忘れられないように、この作品で伝えて行けたらいいなと思って、この1文字を選びました」と思いを語った。

なお、イベントでは同映画の真心が届くようにと、紙飛行機に想いを乗せて客席に飛ばす企画も行われた。このほか、同舞台あいさつにはケナン・エジェ、夏川結衣、田中光敏監督も登壇した。