日本経済研究センターはこのほど、民間エコノミストら40人(機関)による景気予測をまとめた2015年11月の「ESPフォーキャスト調査」の結果を発表した。それによると、2015年7~9月期の実質成長率予測(前期比年率)は0.13%減となり、前月の0.55%増から下方修正された。マイナス成長は2四半期連続となる見通し。

消費者物価予測も下方修正

鉱工業生産が7~9月期通期で前期比1.3%減となったことや、設備投資が前月に続いて下方修正されたことが影響したとみられる。

2015年7~9月期実質成長率予測の推移(出典:日本経済研究センターWebサイト)

2015年度の実質成長率は0.86%増(前月0.97%増)と、9カ月連続の下方修正。2016年度の実質成長率も1.54%増(同1.59%増)と、下方修正された。2015年度の名目成長率は2.13%増と、実質成長率の鈍化と物価見通しの下方修正を受け、直近ピーク時である6月の2.79%増から0.66ポイントも低下した。

2015年度実質成長率予測の推移(出典:日本経済研究センターWebサイト)

消費者物価上昇率予測は、2015年度、2016年度ともに前月から下方修正された。また、日銀の物価目標「2%上昇」の達成が可能かどうかをフォーキャスターに聞いたところ、「はい」が19人、「いいえ」が19人と前月に続いて半数に分かれた。ただし、達成可能としたフォーキャスターにおいても、2017年10~12月以降に達成するとの回答が前月の15人から16人に増えた。