メディケア生命保険はこのほど、「若手と管理職の意識調査」の結果を発表した。調査は8月21日~24日、20~29歳で役職を持たない会社員・公務員(若手)500名と30歳以上で課長クラス以上の役職を持つ会社員・公務員(管理職)500名を対象に、インターネットで行われた。
若手は「計画通りに」、管理職は「より難しい」業務を完遂
若手と管理職の仕事に対する意識や価値観の違いを探るべく、まずは『仕事観で見る価値観の違い』について調査を実施。どんな仕事(の成果)でモチベーションが湧くか尋ねたところ、若手は、「事前の計画通り業務を完遂すること(34.0%)」が最も高く、次いで「一緒に働くメンバーに感謝されること(33.4%)」「成果に見合った給料がもらえること(33.2%)」「新しい知識・技能を身につけられること(31.4%)」などが3割台で続いた。
一方、管理職では「難易度の高い業務を完遂すること(54.2%)」が最多となり、次いで「お客さまに感謝される/笑顔がみられること(49.4%)」「事前の計画通り業務を完遂すること(44.0%)」「成果に見合った給料がもらえること(42.0%)」「一緒に働くメンバーに感謝されること(40.6%)」が4割台という結果に。若手は、きちんとコントロールできる仕事や、自分自信のスキルアップに繋がる仕事にモチベーションが湧く傾向が見られ、対して管理職は、難しい業務をやり遂げる達成感や、顧客に感謝される喜びなど、報酬面以外の成果でモチベーションが湧く傾向にあることがわかった。
仕事とプライベート、どっちが大事?
続いて、若手と管理職の『仕事に対するスタンスの違い』を探るため、仕事とプライベートでどちらかを選ばなければならないようなシチュエーションを挙げ、どちらを優先するのか、という質問を実施。その結果、「上司からの食事のお誘い」と「気になる異性からの食事の誘い」では、若手・管理職ともに「気になる異性からの食事(若手71.2%・管理職71.0%)」を優先する人が7割を占めた。また、「大事な会議」と「急病の家族の病院への送迎」でも同様の傾向で、若手・管理職ともに「急病の家族の病院への送迎を優先する(若手76.6%・管理職77.8%)」が圧倒的多数に。"業務時間外では上司との付き合いよりも恋愛"、"仕事よりも家族"というスタンスには、若手・管理職の間で差はみられなかった。
一方、「トラブル対処のための休日出勤」と「友人の結婚式参列」では、「友人の結婚式参列」を優先する若手が34.2%に対し、管理職は42.2%と、"休日であっても緊急時には仕事を優先するべき"というスタンスに、若手と管理職との意識差がうかがえた。また、「急にお願いされた残業」よりも「スキルアップのための習い事の予定」を優先する若手が24.8%に対し、管理職は13.8%。さらに、「上司の送別会」よりも「趣味に関する限定イベント(例:好きなアイドルの解散コンサートなど)」を優先する若手が42.8%に対し、管理職は28.0%と、若手は管理職と比べて、仕事よりも自己投資を、職場のイベントよりも趣味のイベントを優先する傾向が強いことがわかった。
休憩中の「ノンアル・カラオケ」はNG
次に、平日にどんなリフレッシュを行ったことがあるか聞いたところ、若手は、「業務中にお菓子を食べる・コーヒーやお茶を飲む(37.6%)」「休憩中に昼寝する(34.4%)」「業務中に同僚と世間話をする(25.4%)」と回答した人が多く、次いで「業務中に(業務と関係ない)インターネットを巡回する(19.4%)」や「休憩中にゲームで遊ぶ(16.4%)」と続いた。
一方管理職は、「休憩中に昼寝する(40.8%)」や「業務中にインターネットを巡回する(24.6%)」「(散歩やコンビニでの買い出しなど)業務中に外の空気を吸いに行く(22.0%)」といったリフレッシュを行っている割合が若手よりも高いことがわかった。
続いて、平日に行うリフレッシュとして、NGだと思うものについても尋ねたところ、若手では「休憩中にビールテイスト飲料(ノンアルコールビール)を飲む(34.6%)」が最も高く、清涼飲料という扱いであっても、休憩時間中にビールテイスト飲料を飲むことは不適切だと感じている若手が多いよう。また、「休憩中にカラオケに行く(26.4%)」「業務中に私用のメールやチャットをする(24.4%)」「業務中にインターネットを巡回する(21.4%)」が2割台で続き、これらの行為は"サボり"に近い感覚で行われている様子がうかがえた。
一方管理職は、「休憩中にカラオケに行く(36.2%)」「レジャーをしてから出勤する(23.4%)」「休憩中にゲームで遊ぶ(17.6%)」など、労働時間外にレジャーや娯楽を行うリフレッシュ方法への拒否感が若手よりも高かった。そのほか、「業務中に私用のメールやチャットをする(33.4%)」や「業務中に仮眠する(27.2%)」でも、若手よりも高い割合を示し、これらの行為は、業務効率を上げるためのリフレッシュ目的であっても、上司の目には"サボり"と映ってしまう可能性があるとも言える結果となった。
将来想定する年収額に600万以上の差
最後に、若手と管理職の『金銭感覚の違い』について調査を実施。将来、出世したらもらえると思う年収の最高額はいくらだと思うか聞いたところ、若手は「年収400万円(20.8%)」「年収500万円(16.8%)」「年収300万円(15.2%)」を中心に回答が集まり、その平均額は759万円となった。
一方管理職は、「年収1,000万円(29.8%)」や「年収1,500万円(23.8%)」に回答が集中し、その平均額は1,378万円という結果に。管理職と若手を比較すると、若手は出世したときの最高年収額を管理職がイメージする最高年収額よりも600万円以上低く、現在の役職や実際にもらっている給料の違いによる影響も考えられるものの、相対的には若手のほうが将来を悲観的に捉えていて、会社からの報酬に期待していないことが読み取れる結果となった。