JR東日本は、線路付近で保守作業にあたる作業員に列車の接近を知らせる新たなシステム「GPSを活用した列車接近警報装置(GPS列警)」を開発し、今年度から営業線に導入すると発表した。
GPS列警は、列車に搭載したGPS車載装置と作業員が持つ端末でそれぞれの位置を測位し、列車が所定の距離に近づくと作業員用端末に知らせるしくみ。GPSの位置情報と運行管理装置の列車情報を照合することで、万が一GPS測位に異常があった際にも作業員に列車接近を知らせることができるという。
これまで、線路上の特定区間に列車があるかどうかを検知する「軌道回路」のある線区では、軌道回路で検知した列車の接近情報を地上作業員が持つ受信機に伝える「TC型無線式列車接近警報装置」を使用してきた。GPS列警の開発により、軌道回路がない線区でも同様のしくみで作業員の安全を確保できるようになる。
今年度中に八高線と飯山線に導入するのを皮切りに、2017年度までに地方交通線を中心に25線区にGPS列警を整備する予定。導入費用として約20億円、維持管理費用として年間約2億5,000万円を見込む。