整体師のりょうです。肩こりは、肩以外の要因も絡み合って起きることが多いです。これまでには、肩甲骨などにも原因があることをご紹介してきました。今回新たにご紹介するのは、整体院に来られる人のほとんどがビックリされる箇所の「脇の下」です。

「なぜそんなところが関係あるの? 」と皆さん驚かれるのですが、脇の下は背中から肩甲骨につながっているところですので、肩こりにとても影響が大きく、しっかりほぐす必要のある箇所なんです。

整体師にしてもらうように自分で押すことは難しいですが、ストレッチでしたらいつでもどこでも簡単にできますので試してみましょう。

両手を支えにして、脇の下を伸ばす

下の写真のようなフェンスや塀があれば、それらを支えにしてストレッチができます。ちょうどよいものがない場合は、まっすぐ立って両手を前に出した際、手が水平になるくらいの高さでしっかりと固定された物であれば代用可能です。

例えば家の中で私は時々、キッチンの流し台に両手を支えてストレッチしています。身の回りで動かないしっかりした物を見つけ、ストレッチしてくださいね。

お尻を後ろへ突きだすと、脇の下がストレッチできます

ストレッチの手順は至って簡単です。まず上にある左の写真のように、しっかり手をフェンスの網に絡めるなどして外れないように準備します。そのまま右の写真のようにお尻を後ろへ突き出せば、脇の下のストレッチができます。

このまま呼吸を止めずに20秒ほど静止してください。そのときには、どこが伸びているのかしっかり意識しましょう。

ストレッチはどこでもできる

次に反対向きでも同じことをやってみましょう。こちらは脇の下ではなく、腕と肩甲骨周辺のストレッチになります。

おなかを突き出すようにすると、肩甲骨周辺がストレッチできます

こちらも同様に手順は簡単で、見た通りです。フェンスに後ろ向きになって、両手が動かないようにします。大きく息を吸って、ゆっくり吐きながらおなかを突き出します。このとき、両腕から肩甲骨周辺がストレッチできていることを確認してください。

片手ずつでもストレッチできます

最初に行ったストレッチの片手バージョンです。要領は同じですが、広い場所がなかったり、何らかの事情で片手しか使えなかったりするときに便利です。両手時と多少違うところが伸びますので、併せてやってみるのもよいと思います。反対の腕も同様に行ってくださいね。

どんな物でもストレッチの道具になる

では次に、これまでのようなフェンスや壁、塀など都合のよいものがない場合のストレッチをご紹介しましょう。下の写真のように、家の中の柱だって使えてしまいます。要領はこれまでと同じですが、支える手の角度が変わりますし、柱の素材や厚みによって手が外れやすいため、後ろへ転倒しないようにご注意ください。

手が外れないようにご注意ください

片手で支える場合(上の写真2枚)と、両手で支える場合(下の写真2枚)です。柱の反対側からもストレッチできれば左右のストレッチが可能です。

どんな物でもストレッチの道具として使えます

日常の物を使って習慣化しよう

脇の下がほぐれると皆さんビックリされますので、「このストレッチで一瞬にしてスッキリした! 」なんて人もいるかもしれません。また、公園では、ジャングルジムや鉄棒などを使うことも可能です。

このように身の回りにある物を使うと、ストレッチは簡単に行うことが可能です。前回ご紹介した方法でも脇の下がストレッチできますので、併せて日常の中で習慣的に行ってください。

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計283万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。