――本作は、なんといってもアクションが魅力ですが、激しいバトルシーンを演じるのは大変だったのでは?
もともと肉体派なので、そんなに苦労もせず楽しめました。特に、スカーレット・ウィッチの独特の動きを作り上げることができたことは、すごく誇らしく思っています。まるでダンスのように、彼女が何に集中していて、今エネルギーはどこにあって、だから手のどの辺りにそれを感じているのか考え、また、視覚的にダイナミックになるようにもっとアングルをつけた方がいいとか、そういうことを固めながら演じました。
――そういった動きは、ご自身で考えて作り上げたのでしょうか。
もともと監督が持っていたイメージを、振付師と共に解釈して作り上げたので、監督が30~40%、残りは私たちという感じかしら。練り上げて完成させていったので、共通言語として理解できています。なので、次作の『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』は監督が違うけど、どういう風に動いたらいいかは、もう自分でわかるんです。
――演じる上で、アベンジャーズの先輩キャストからアドバイスをもらったりしましたか?
実はこの作品、映画の最後の方、ジェレミー・レナー(ホークアイ役)とアーロンと3人のシーンから撮り始めたんです。その時にジェレミーから「どの瞬間も自分なりに、背景やそこにいる意味を考えないとダメだ」と言われたんです。「そういう意図を持たずにその場で行為をするだけだったら、スタントの方だってできる。お客さんが見たいのはそういうことではない。だから役者として考えないと」って。とても大切なことを教わりました。
――大先輩からの重みのあるお言葉ですね。そういったアドバイスも生かして"アベンジャーズ"の新メンバーを見事演じられましたが、世間の反響もすごかったのでは?
大きな変化というのはそんなにないですよ。街を歩いていて気づかれることは増えたけど、声をかけてくださる方は礼儀正しい方が多いので(笑)。でも、役者は次の仕事が見つからないという状況はよくあるけれど、ある程度次の作品が決まるような状況になり、「なるほど、安定ってこういうもんなんだな」という感じはしています。
――最後に、今後の女優としての目標を教えてください。
この『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の次の出演作品が、『I Saw the Light』というアメリカの音楽シーンに大きな影響を与えたカントリー歌手ハンク・ウィリアムズの伝記映画なんです。これは、アクション大作とは異なる小さい規模で、キャラクターを主眼に置いた作品。自分にとって『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を作って、次に『I Saw the Light』を作るというのはパーフェクトなバランスだなと。これからもそのバランスを見つけながらやっていきたいです。あと、長期だからこそ深く掘り下げることができるテレビの可能性も感じているので、そちらも挑戦してみたいです!