おいしくて安全な食材を厳選し、ECサイトや首都圏に展開する18店舗で販売するOisix。仕入れる商品に関しては、常に「食味」「安全性」を真剣に考えているという。ユーザーの満足のために強いこだわりを持つ同社の社員は、いったいどのようなオフィスで商品に向かい合っているのであろうか。
こだわりの商品名を会議室の名前に使用
まず初めに通されたミーティングエリアには、おいしそうな野菜のパネル。近づいてよく見てみると「ワケありリンゴ」と書かれている。これは雹の被害にあって、見た目が悪くなったというだけで商品価値が認めてもらえなくなったという、もったいないリンゴなのだそうだ。しかし、よく見るとその上に「会議室」。意味がわからず小首をかしげていると、広報室の小野史恵さんがにこやかに教えてくれた。
小野さん「これは会議室の名前なのです」
なるほど。そういえば他にも似たようなパネルがいくつかかかっている。「生とうもろこし」「みつトマト」…どの野菜会議室もすごく魅力的。
小野さん「Oisixではお客様に商品をわかっていただきやすいように、社員が意見を出し合ってネーミングに工夫を凝らしています。それを会議室の名前にするなどして、社内PRも図っています」
たとえば甘みのある「かぶ」は、野菜の買い付け担当が産地を訪れた際に、たまたまカブの栽培を見つけ試食させてもらったところ、桃の様に甘くておいしかったので「ピーチかぶ」と名付けられたのだそう。同社ではそういった商品名が会議室の名前になっている。第一会議室とか中会議室などというよりも、社員の商品に対する思い入れがより強くなっていくのではないだろうか。
小野さん「生鮮品・加工品ともに、産地はもとより作り方などにもこだわり、安心してお子さんにも食べて頂けるものをご提供しています。ですから、社員もひとつひとつの商品に愛着があるのです」
もうひとつ、目についたのがカップホルダー。「みつトマト」や「かぼっコリー」といった商品と、生産者の写真が胴体に巻きつけてある。来客との話のきっかけにもなるし、Oisixが農家さんとの繋がりを大切しにているということも伝わりそう。何より、Oisixの野菜や果物への深い愛情が感じられる。
こういった魅力ある商品は、いったいどのようにして開発されているのだろうか。その秘密は本社の9階にあった。
ここからおいしく安全な商品が生まれる!
ドアを開けると、そこにはオープンキッチンと、こじんまりした社員食堂のようなスペースが。
小野さん「ここは本来、商品開発のためのキッチンとして設けられた部屋です。新たに取り扱う商品の試食や、食べ方提案のための調理を行っているのです。昼食時には、ここでお昼ごはんを食べる社員も多いです」
さらに、アフターファイブには社員間のコミュニケーションを図る場所として、月に一回社内バーが開催されている。
小野さん「社内バーは、社員同士のコミュニケーション活性化を目的に実施しています。ハロウィンや結婚祝い・誕生日会などその時々にテーマを決めて、会社で取り扱っている食材を中心に様々な飲み物や料理を提供します。開催時間中は出入りが自由なので、様々な部署からたくさんの社員が参加しています。また、ここで出される料理の素材には新しい商品や開発中の商品などもあり、それを食べた社員の感想や意見を商品の改良・改善につなげています」
社内バーは社員ならだれでも無料で参加できる。おかげで、日ごろ仕事で接点の少ない部署同士であってもお互いの垣根が低くなり、仕事がスムーズに進むようになったという。実に楽しそうなコミュニケーション空間のようである。さらに、こんな企画もあるという。
小野さん「ちなみにこれまでで一番盛り上がったのはハロウィンの仮装大会です。顔面塗りたくってドラえもんになっている社員がいたり、海坊主姿の役員がいたりなど、皆の新たな一面が見れて楽しかったと評判でした。また、新入社員が入社して3カ月が経ち、少し慣れてきた彼らが中心となって『居酒屋』を開く計画があります。イベントを通じて企画や運営といった、仕事の流れを学ぶいいチャンスになるのではないでしょうか」
こういったイベントは本社だけではない。多くの従業員が働く物流の現場でも、開催されているのだ。
小野さん「神奈川県海老名市にある物流拠点で、本社の社員が訪問して同様のイベントを行うことがあります。たがいに親交が深まって、仕事がスムーズに進むようになりました」
社員も大好き野菜サラダ
野菜などの自社製品をふんだんに使った社内イベント等、とってもヘルシーな印象のOisix。お客様に栄養価の高い安心食材を提供する会社だけあって、社員も健康に気を使っている人が多いという。
小野さん「Oisixで取り扱っているこだわりの食材は多くのお客様から支持を得ています。中でも、ビジネスマン向けに販売しているオフィスサラダは人気商品です。社内には昼食を調理して提供する食堂はありませんが、3種類のサラダメニューを社員が昼食として購入することができるようになっています」
用意されているのは「Salad Oisix for オフィス」の週替わりメニュー。新鮮野菜を中心に、厳選された鶏肉や生ハム・魚介類などが入っていて、これだけでもけっこう満腹になる。
小野さん「サラダは栄養価に富んでいるというだけではなく、サーモンやチキンなどと組み合わせることによって、一食分としてのボリュームを持たせることができるのです。オリジナルのジュースやパンもあって、皆いろいろな組み合わせを楽しんでいます」
サラダ以外にも、デスクの上におやつのミニトマトを置いている社員や、バランスボールに座って仕事をしている社員など、ひとりひとりが健康に気を使っている様子が見られる。心と体の健康を考えるOisixの理念は、社員の日常にもしっかりと浸透しているようだ。