厚生労働省は6月1日、がん対策に向けたイベント「がんサミット」を開催した。
主催者挨拶に立った塩崎恭久厚生労働大臣は、安倍晋三首相から「がん対策加速化プラン」の年内の策定について指示されたことを話し、その柱となる取り組みの一つとして、がん教育やタバコ対策、がん検診を含む早期発見の強化に取り組むがん予防を進め「避けられるがんを避ける」ことを掲げた。
「昨日5月31日は世界禁煙デーでしたが、政府としても東京オリンピック・パラリンピックに向けて一層の禁煙への取り組みを行ってまいりたいと思います」とも述べた。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて
また同イベントでは、「2020年、スモークフリーの国を目指して~東京オリンピック・パラリンピックに向けて~」と題し、いきいき健康大使で女子マラソン五輪メダリストの有森裕子さんと佐倉アスリート倶楽部代表取締役の小出義雄さんを招いたパネルディスカッションが行われた。
かつてヘビースモーカーだったという小出さん。監督だった当時、「私はオリンピックに行きたいのでタバコをやめてください」と有森さんに怒られたエピソードを披露した。
「タバコをやめるとやっぱりイライラするんです。ものすごくタバコが吸いたかった。飲みに行っても、隣のタバコ吸っているところに寄って行って吸いたかった。でも我慢したんです。どうしてかというと、私がタバコぐらい我慢できなかったら有森がメダルとれないなって、純粋な選手が言ってるのを私が踏みにじっちゃいかんなって思ったんです。
タバコは3日我慢したら、4日目になると楽になった。タバコを吸っている人でどうしても辞められない人は、3日我慢したら4日目にはふっと軽くなって辞められます」(小出さん)
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、小出さんは「吸い殻一つない街にして、世界中から来た人たちから『日本はすごいなあ』と思われる国になってほしいなって思います。そうすれば、日本の評価もどんどん上がるんじゃないかな」、有森さんは「2020年のみならず、皆さんが健康になる方向に進んでほしい。タバコを吸う人がちょっと考える、吸わない人がどんどん健康になっていく、という流れになればよいと思います」と話した。