川崎重工業は5月28日、エアバスA320neo用エンジン「PW1100G-JM」の量産初号機用部品であるFan Exit Stator Assy(ファン イグジット ステイター アッシー: 低圧圧縮機前部に搭載される静翼部品)を明石工場から出荷した。

川崎重工業がPW1100G-JMの部品で担当しているIBR(ローターブレードとディスクを一体成型した低圧圧縮機回転部品)

同社はPW1100G-JMにおいて、IBR(インテグレーテッド ブレーデッド ローター: ブレードとディスクを一体成型した低圧圧縮機回転部品)など低圧圧縮機部の主要部品12点を担当しており、3月に出荷を開始し、このほど量産初号機用部品全ての出荷を完了した。

PW1100G-JMは先進ギアシステムの採用により、低圧圧縮機および低圧タービンとは異なる低い速度でファンを駆動させることが可能なギアード・ターボファンエンジンとなっている。また、先進複合材技術や最新の要素技術により、燃費・排気ガス・騒音レベルの改善を図っている。

同社は、今回の開発・生産プログラムにおいて国内シェア25%(全体の約6%)で参画し、低圧圧縮機部の主要部品の開発、生産、整備を行っている。同エンジンには同社独自の先進加工技術が新たに適用され、エンジンの軽量化および燃費改善が施されている。

PW1100G-JMが搭載されるA320neoは、民間旅客機で最大の需要が見込まれる120~200席クラスの最新型機で、すでに約4,000機が確定発注されている。そのうちエンジンが選定された機体の約半分にPW1100G-JMが選定されている。