三菱重工はこのほど、同社が保有する湘南モノレールの全株式(55.2%)を交通事業支援会社のみちのりホールディングスに譲渡すると発表した。みちのりHDは三菱電機と三菱商事が各18.4%を保有する湘南モノレールの株式も買い取り、計92%を取得して傘下に収める。

交通事業支援会社のみちのりホールディングスが、湘南モノレールを傘下に収めることに

湘南モノレールは、懸垂型モノレール車両の初号機を納入した三菱重工を中心に、三菱電機・三菱商事などにより1966年に設立。大船~湘南江の島間(6.6km)を結ぶ地域の足として、年間約1,000万人に利用されている。

今回の株式譲渡について三菱重工は、「経営資源をコア事業に集中するためにグループ会社の再編などを進めている当社と、地域交通事業の活性化に取り組むみちのりホールディングスの思いが一致したことによるもの」と説明。今後は関東自動車グループや茨城交通グループなど北関東・東北地区で地域交通事業活性化に実績のあるみちのりHDに湘南モノレールの経営を託す。

みちのりHDは首都圏の交通機関をグループに加えることで、地域交通における広域連携のさらなる拡大にともなう付加価値向上をめざす方針。三菱重工も車両の供給や保守などを通じ、引き続き湘南モノレールに協力する。