人類の終末をもたらす要因となるものはさまざまある。多様な終末論が唱えられているが、科学者もこれらの問題に対し考えているようだ。
英オックスフォード大学の未来研究チームとグローバル・チャレンジ財団が行った最新の研究によると、人類が滅亡する可能性が高いシナリオは12通りあるという。
1. ウイルスのグローバルパンデミック
仮に世界を終焉へと導く病気があるとしたら、それは、狂犬病、エボラウイルス、エイズウイルスなどのように確実な治療法がなく、感染力が高い、常に変異していくウイルスであろう。インフルエンザは、少しずつ変異しながら、致死率を高めている。今この瞬間も、そういったウイルスを研究している科学者は多いが、人口密度の増加と電車や飛行機といった近代的な移動手段の進歩により、研究の成果より、伝染の速度が飛躍的に速いのが現状である。
2.スーパーボルケーノ(大火山噴火)
ここで言うスーパーボルケーノとは、通常の火山噴火の数千倍の規模に達する大噴火のことを意味する。噴火により引き起こされた大気中のちりは、太陽光を遮断し、長い冬が始まる。小惑星の激突や核戦争と同様の影響を及ぼすが、現代科学をもってしてもこれを防ぐことは不可能だ。
かつて、「スーパープルーム」と呼ばれる大噴火によって、古生代後期のペルム紀末に地球の歴史上最大の大量絶滅が起きた。海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90%から95%が絶滅したのだ。
3.人工知能(AI)
最も多く議論されている終末のシナリオは人工知能によるものだろう。人間よりも高度な知能を持った人工知能は、簡単にはコントロールできないのではないかと言われている。そして、高度な人工知能は遅かれ早かれ、自分たちの機能をさらに高める手段を見つける事だろう。仮にその過程で「人間愛」は不必要だという結論に至ってしまったら、われわれに彼らを止める術は残されていない。もし人工知能が暴走したら、人類の最大の脅威となる可能性は否定できないのだ。
4.大気候変動
科学者は現在、「人類」こそが、大気候変動を引き起こす要因だと考えている。人類が大気中に放つ二酸化炭素は地球の温度を4度も上げてしまったと言われている。むろん人類による影響ではないとする説もあるが、温暖化による影響はわれわれが思っている以上に大きく、地球の温度を6度も上げてしまうのではないかとも言われている。
気候変動を引き起こすのは先進国だが、その影響を強く受けるのは貧困で苦しむ国々である。満足できる生活基準を確立できていない国は飢餓・貧困等が悪化すると言われている。
5.人工合成生物
生物の遺伝子を研究する、生物工学と言われる分野がある。そこで研究されている事の多くは人類の役に立つ物が多いが、人類を標的とする合成生物が放たれてしまった時の影響力は計り知れない。放たれてしまった原因が「事故」であれ、「故意」であれ、引き起こされる結果は上記のパンデミックよりもひどい結果と成り得るかもしれない。
現在の、生物研究の規制は完璧なものではなく、規制が強すぎれば研究が進まないといった矛盾を抱えており難しい問題となっている。
6.小惑星の衝突
小惑星や隕石(いんせき)の衝突により地球が終わってしまう可能性は捨てきれない。大きな隕石(直径5キロ以上)が地球に衝突するのは約2000万年に一度だと言われており、その威力は人類が作り上げた世界最大の爆弾の約10万倍だと言われている。こういった隕石は衝突時の影響のみで日本を吹き飛ばすほどの威力があるそうだ。また隕石衝突直後に舞い上がるほこりや砂は大気を覆い、地球は長い間、陽の光を見る事は無くなるのだ。
7.生態系の崩壊
生態系が崩壊すれば、生物の大量絶滅につながる。人類も生態系の一部でありその影響は計り知れないものがある。
しかし、環境から完全に独立した生物は生き延びる事ができるかもしれない。こういった「自然界から独立するための方法」は、その時に人類が持っている技術レベルによるかもしれない。また、人類のみが「自然界から独立する」事に対する道徳的問題にも目を向けなければならないだろう。
8.ナノテクノロジー
分子レベルの超小型機械技術は人類に英知をもたらし、飢餓・貧困・環境汚染等の多くの問題を解消する先駆けとなる可能性を秘めている。しかし同時にこの技術は、強力な破壊兵器の開発にも転用され、国家の軍事レベルを飛躍的に上げる可能性もある。
9.米露核戦争
冷戦が終わったと言え、ロシアとアメリカの間で核戦争が起きる可能性を完全には否定できない。今後100年の間に核戦争が起きる可能性は「10%」だと言われている。核戦争が世界に大きな影響を及ぼすかどうかは「核の冬」が到来するか否かにかかっている。核戦争によって生じた煙は大気を覆い、太陽の光を遮り、地球全土に冬を引き起こすのだ。核の冬がもたらす食糧難に人類は長い年月苦しめられることだろう。
10. 劣悪なグローバル・ガバナンス
国家政府が、解決できる問題を放棄したり、その方法を誤ってより悪化させると、事態は深刻なものとなる。科学技術の発展は人類を前進させるかもしれないが、国に問題があっては人類が前に進む事など到底不可能である。劣悪な国家は、逃れられない貧困や世界的な全体主義を引き起こすのだ。
11. グローバルシステムの崩壊
世界中で経済破綻が連鎖しすると、国家がコントロールできないほどの暴動が起きる。法は消失し、人類が地球に存在しうるための秩序が完全に崩壊してしまう。しかも起こりうる可能性を計測する事は困難であり予測不能だ。政治と経済をつなぐ巨大システムが複数同時に崩壊すれば、世界恐慌以上の混沌が広がるであろう。
12.予測できない未知の脅威
「何が原因で地球が終わるか分からない」。それもまた可能性の一つなのだ。もしかしたら明日、全く分からない「謎」の出来事により人類は終わってしまうかもしれない。
カラパイア
ブログ「カラパイア」では、地球上に存在するもの、地球外に存在するかもしれないものの生態を、「みんな みんな 生きているんだ ともだちなんだ」目線で観察している。この世の森羅万象、全てがネイチャーのなすがままに、運命で定められた自然淘汰のその日まで、毎日どこかで繰り広げられている、人間を含めたいろんな生物の所業、地球上に起きていること、宇宙で起きていることなどを、動画や画像、ニュースやネタを通して紹介している。