ワコールは1月15日、同社が特別協賛する「『10歳の未来』プロジェクト」の一環として「母娘の1/2成人式」を開催した。

「母娘の1/2成人式」を開催

10歳という年齢は、女の子にとって体が変化し始める時期であり、心や環境の面でも大きな変化を迎える時期。さまざまな情報が取り巻く中で、子どもたちと親世代に正しい情報を伝えていくために同プロジェクトは発足した。10歳の女の子たちにとって大切な「心」と「体」、これから始まる「"キレイ"のつくり方」などについて学ぶことの大切さを伝える活動を行っていくという。

10歳前後はバストがふくらみ始める時期

「初経とバストの成長の関係」

同社が2012年に発表した研究成果(「子どものバスト成長の事実と正しいブラジャー着用の必要性」)によると、バストがふくらみ始める時期は初経の1年以上前、"10歳前後から"であることがわかっている。そして、初経前後の約4年間にバストは成長し変化していくとのこと。

「初経を迎える時期の低年齢化」(1980年代生まれと2000年代生まれの比較)

「バストの成長時期の低年齢化」(1980年代生まれと2000年代生まれの比較)

1980年代生まれの女性と比較すると、2000年代生まれの女の子は初経を迎える時期が早まっており、それに応じてバストの成長時期も早まっているという。

「バストがふくらみ始めている女子の割合とブラジャーの着用率」

一方で、ブラジャーの着用実態を調査したところ、バストがふくらみ始めている女の子は小学5年生で63%、小学6年生で90%にのぼるのに対し、ブラジャーの着用率はそれぞれ30%、60%と低い結果に。このことから、体の成長とブラジャーの着用時期にはズレが生じていることがわかる。

さらに同社の調査(2011年4月~12月/「ワコール ツボミスクール」参加者1,769名対象/アンケート調査)によると、「体の成長や下着の着用に不安がある」と回答した女の子は44%にも及んだ。これについて、「体の変化や初めてのブラジャーについては、子どもの方からは言い出しにくく、誰にも相談していない子どももいます」と同社。一方で保護者からは、「ブラジャーの話を切り出すタイミングがわからない」などの声も多く寄せられるという。

このような現状を踏まえて、同社は「少女たちの美しく健やかな成長のためには、母と子のコミュニケーションが大切であり、親と子で体のことを話し合ったり一緒に考えたりするきっかけづくりが必要」と考え、今回のイベントを開催するに至った。

10歳を代表する"キラキラガールズ"が決定

<10歳キラキラ>ガールズの7名(左から手塚陽菜さん、新谷日菜さん、山下倖和さん、杉澤絆さん、森愛華さん、大宮千莉さん、瑚々さん)

1/2成人式とは、20歳の半分である10歳を迎えたことを機に、「自分の生い立ちや成長を振り返り、お世話になった人に感謝し、自分の将来に夢や新たな目標を持つ」というきっかけを与えるイベント。最近では、特別授業として親子で参加する行事に取り入れる小学校が増えているという。

宣誓をする杉澤絆さん

同イベントでは、「<10歳キラキラ>ガールズ」を発表。オーディションでは、「それぞれの個性を尊重する」「成長する時期はそれぞれ違う」というテーマのもと、「美しさ」「健康」「個性」を備えた、キラキラと輝く未来をイメージさせる女の子たちが選出されたという。

選ばれたのは、手塚陽菜さん、新谷日菜さん、山下倖和さん、杉澤絆さん、森愛華さん、大宮千莉さん、瑚々さんの7名。<10歳キラキラ>ガールズはこれまで、「肌ケアと食べ物」「江戸しぐさ」「書道」「立ち居振る舞い」「ハギレでハレギ」といったワークショップなどで学びながら、同世代に発信していくアンバサダーとして活動。2015年は、同社の公式ホームページをはじめ、さまざまなコミュニケーションの場に登場する予定とのこと。

同イベントの「1/2成人式の宣誓」の場面では、「宣誓、10歳はお母さんと」と皆で声をそろえ、「マラソンにチャレンジしてあきらめない心を養います」(手塚さん)、「いろいろなヘアアレンジに挑戦してきれいな大人を目指します」(杉澤さん)など、1人ずつ決意を表明した。

ゲストとして登場したモデルの稲沢朋子さん

ゲストとして、モデルで2児の母でもある稲沢朋子さんが登場。稲沢さんは、娘さんが小学6年生の頃、同社の下着コーナーに"ファーストブラ"の相談に行ったことを明かし、「プロの方に相談したいと思い、娘と一緒に行きました。きちんと採寸していただいて、勧められたものからスタートした記憶があります」と当時を振り返った。

最後に、<10歳キラキラ>ガールズを代表して、大宮さんが「お母さんへの手紙」を朗読。「私はそんなに自分の顔に自信がなかったけれど、ママが"心が美しければ振る舞いや顔にも出てくるんだよ"と言ってくれたことで自信が持てるようになったよ」などと感謝の気持ちを伝えると、壇上で聞いていた大宮さんのお母さんの目に涙が浮かぶ一幕も。母と娘の温かい絆を感じられるイベントとなった。