『シュガーラッシュ』『アナと雪の女王』と大ヒットが続き、"第3の黄金期"と言われているディズニー長編アニメ。2014年12月20日には、少年ヒロとケア・ロボット"ベイマックス"が感動の冒険を繰り広げる『ベイマックス』が公開され、『アナと雪の女王』に次ぐディズニー・アニメーション歴代2位の好スタートを記録した。今回、『アナと雪の女王』と『ベイマックス』を過去の名作と徹底比較。2作品に共通するヒットの鍵が見えてきた。

少年ヒロとケア・ロボットの感動の冒険を描いた『ベイマックス』

"ディズニーといえばプリンセスストーリー"というイメージを強く感じさせる出来事となった『アナと雪の女王』の歴史的ヒット。これまでのプリンセスは、白雪姫やシンデレラ、『眠れる森の美女』のオーロラ姫、『リトル・マーメイド』のアリエル、『美女と野獣』のベルなど、王子さまが現れるのを待つというスタンスだったが、『アナと雪の女王』では、自らの手で運命を切り開く現代のプリンセスが描かれ、多くの人の心をつかんだと言われている。

ディズニーが長い歴史の中で描いてきたテーマを大切にしながら、時代の求める形へと進化させるという『アナと雪の女王』のヒットの鍵は、『ベイマックス』にも通じている。プリンセスストーリーと同じように、ディズニーが大切に描いてきたのが"絆"の物語であり、『ベイマックス』では、時代に合うように進化を続けてきた絆の物語が集約されているのだ。

過去の絆の物語を振り返ると、『ダンボ』では、ダンボと親友ティモシーとの仲間の絆、親子の絆が感動を呼び、『101匹わんちゃん』では、親と子の絆を中心に、動物同士の熱い絆を描いた。『ライオン・キング』でも、親子の絆と仲間との友情を描き、『リロ&スティッチ』では、エイリアンのスティッチと少女リロの絆が心を打った。そして、『シュガー・ラッシュ』では、主人公ラルフが少女ヴァネロペとともに巨悪に立ち向かった。

そして、今回の『ベイマックス』は、天才科学者の少年ヒロが、事故で亡くした兄タダシの遺したベイマックスと織りなす感動アドベンチャーであり、兄弟の絆、ヒロとベイマックスの絆を描いた"絆"の物語だ。受け継がれてきたその伝統のテーマが、『アナと雪の女王』と同じように、今の時代に合致する物語へと進化を遂げ、多くの人の心をつかんでいる。


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