こんにちは。フィスコリサーチレポーターの飯村真由です。短期間で値上がり期待の大きい銘柄を選ぶコツとして基本編ではテーマ応用編では材料について学び、少しコツがつかめてきたでしょうか。今回は短期投資を成功させるための条件について考えていきます。

大型株と中小型株では値動き自体が異なる

短期投資に向いている銘柄には、いくつかのポイントがあります。

「値動きが軽い」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?

そもそも大型株と中小型株では値動き自体が異なります。

同じ上昇局面においても、大型株はジワジワと下値を切り上げる底堅い動きを銘柄が多いのに対して、中小型株は1日の値幅が大きいです。相場環境が回復した時や強気相場の時などは、個別材料が特に観測されなくても個人投資家に人気のある銘柄は大幅高をつけることがありますよね。

値動きが軽い中小型株の方が短期的な利ざやを取りやすいので、日々の相場と向き合いながら銘柄の"値動きの特徴"をつかんでおくといいでしょう。

フィスコリサーチレポーターの飯村真由さん

「流動性」もある程度必要!

また、「流動性」もある程度必要です!

「今日これだけの売買が成立しました」と出来高が多い銘柄と捉えることもでき、実際に売買するときには"買いやすい・売りやすい"というメリットがあります。買ったはいいけど、売りたいときに希望の株価ですぐに売れない…という流動性リスクを防ぐために、売りたいときにいつでも売れるという安心感のある銘柄を選んで投資することが大切です。

流動性に関していえば、相対的に中小型株よりも大型株の方が優れています。流動性の低い銘柄は、わずかな刺激が加わっただけで急騰するメリットもありますが、利益確定の流れに変わると急落するリスクがありますので注意が必要です。

ステップアップ

どれだけの流動性があれば安心なのでしょうか?
私は自分が買いたい株数の100倍程度の出来高があるかどうかを1つの目安としています。1単元が100株の銘柄に対して1000株(10単元)程度買いたいのであれば、日々の出来高が約100倍にあたる10万株程度あれば買いにくい・売りにくいという流動性リスクはないと考えています。1単元だけということであれば、最低1万株以上の出来高が判断基準ということになりますが、私が株価予想をする立場においてはこの10万株の出来高を判断基準にしています。

業績やテーマ性において株価成長が期待できる銘柄は"人気化"する前に仕込む

ただし、流動性に課題の残る銘柄にも中期的には倍以上になる銘柄が潜んでいたりします。株価が大きく上昇していく局面において、出来高は増加するケースが多く見られます。業績やテーマ性において株価成長が期待できる銘柄に対しては、"人気化"する前に仕込んでおくと大きな売買益を得ることができるのです!

私が単独レポート10月号で無線LAN事業が急成長している注目企業としてご紹介したワイヤレスゲート<9419>を例にとってみたいと思います。

ワイヤレスゲート週足チャート

「出来高の変化」に注目してみてください。

◇予想スタート時である9月25日始値:1400円(分割考慮)、出来高7万8700株

前後2週間の平均出来高は3万5000株程度です。流動性には課題が残る銘柄ではあったものの、スマートフォンやタブレット端末の普及拡大が追い風となっていることから今後の株価成長において大きな期待感を抱いていました。一時1300円を割り込む場面もあったのですが、銘柄フォローとして配信しているレビューコメントにおいては買い増しチャンスと考えていることをアピールしました。

その後の株価インパクトと出来高の推移を見てみますと、

◇10月17日終値:1450円(分割考慮)、出来高19万2500株

一部証券のレーティングニュースなどが材料視されて、前日比+10.6%の大幅高! 出来高は前日比16倍と急増しました。

◇11月11日終値:1665円(分割考慮)、出来高31万2800株

上場来高値を更新し、前日比+8.1%の大幅高! 出来高は前日比4.3倍となり、本格的な上昇局面を迎えました。

また、12月末に1株→2株の株式分割を行ったことも株価をさらに押し上げる格好となりました。人気化している銘柄はどんどん株価が高くなっていくわけですから、購入価格が半分になり流動性が増加することは歓迎されますよね。

◇最大上昇時は1月14日高値:5070円(前日比+15.2%)、出来高140万9500株

この時をピークに株価は調整局面を迎え、出来高も徐々に減少していきます。これは高値圏で推移していた銘柄が、下落し始めた時に見せる現象の1つです。

出来高の増加はチャンス! 出来高の減少は要警戒!

「出来高の増加はチャンス! 出来高の減少は要警戒!」ですので、単純に値動きを見るのではなく出来高の変化には気を配っておきましょう。

実は、出来高が100万株を超えたのは高値をつけた日以外にもう1日だけあります。

◇2月14日終値:2840円(前日比-17.3%)、出来高123万1000株

前日引け後に本決算を発表。今期13年12月期の業績が2桁の増収増益を確保する見通しであるものの、市場予想に届かなかったため出来高を伴った急落となりました。

少し厳しい反応だったかもしれませんが、このように出来高の伴った下落は急激に需給が悪化したサインですので「逆張り」は危険です。どこで下げ止まるかな~と様子を見た方がいいでしょう。

出来高は人気が集まっているサインのようなものです。

株価上昇×出来高増加は強気サイン! 出来高を伴った上値追いの動きは素直についていきたいものです!

特に「上場来高値を更新しにいく時は株価に弾みがつきやすい」という傾向があります。連日高値を更新しているような強い地合いを継続している時には、ターゲット値を引き上げて"強気"な投資判断に切り替えられるといいですね。

執筆者プロフィール : フィスコ リサーチレポーター 飯村 真由

JALの元筆頭株主である糸山英太郎氏の秘書時代に株と出会い、現在はフリーライター及びフィスコリサーチレポーターとして活動中。Yahoo!ファイナンス株価予想での的中率が高く、また購入しやすい価格帯にこだわって成長株を厳選しているスタイルも評判となっている。特に短期投資向きの銘柄選びに定評があり、毎月5銘柄ずつ紹介している単独レポートも好評。個人投資家から多くの支持を集めている。
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