財務省は17日、2014年11月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8,919億円の赤字となった。赤字は29カ月連続で、過去最長を更新した。赤字額は前年同月と比べて31.5%減少した。

輸出額は前年同月比4.9%増の6兆1,889億円で、3カ月連続の増加。なお、数量指数は同1.7%減の89.2で、3カ月ぶりに減少した。品目別に見ると、半導体等電子部品が同14.7%増、科学光学機器が同12.6%増、金属加工機械が同17.6%増、船舶が同32.8%減などとなった。

輸入額は前年同月比1.7%減の7兆807億円で、3カ月ぶりの減少。品目別では、液化天然ガスが同12.2%増、通信機が同19.2%増、原粗油が同21.6%減、石油製品が同15.9%減、石炭が同21.2%減などとなった。

2014年11月の貿易統計(速報)(出典:財務省Webサイト)

地域別に見ると、対米国は、輸出額が前年同月比6.8%増の1兆2,083億円、輸入額が同3.3%減の6,262億円で、5,821億円の黒字。黒字額は3カ月連続で増加した。輸出品目では、鉄鋼が同41.9%増、建設用・鉱山用機械が同26.6%増、鉱物性燃料が同522.3%増、自動車が同10.4%減など。輸入品目では、穀物類が同50.5%増、有機化合物が同49.9%増、航空機類が同47.9%減、原動機が同25.0%減などとなった。

対EUは、輸出額が前年同月比1.3%減の5,917億円、輸入額が同2.4%増の6,820億円で、903億円の赤字。輸入額は11月としては1位、赤字は23カ月連続となる。輸出品目では、半導体等電子部品が同20.3%増、映像機器が同29.1%減、医薬品が同39.1%減など。輸入品目では、航空機類が同177.0%増、自動車が同11.9%増、石油製品が86.1%減などとなった。

対アジアは、輸出額が前年同月比5.8%増の3兆4,304億円、輸入額が同3.4%増の3兆3,842億円で、462億円の黒字。輸入額は11月としては1位、黒字は2カ月連続となる。輸出品目では、半導体等電子部品が同14.8%増、科学光学機器が同11.8%増、船舶が同46.2%減など。輸入品目では、通信機が同20.7%増、半導体同電子部品が同14.0%増、石油製品が同20.9%減などとなった。

対中国は、輸出額が前年同月比0.9%増の1兆1,516億円、輸入額が同3.9%増の1兆7,484億円で、5,968億円の赤字。輸出額・輸入額ともに11月としては1位、赤字は33カ月連続で11月としては最大となった。輸出品目では、科学光学機器が同20.8%増、半導体等電子部品が同17.0%増など。輸入品目では、通信機が同22.0%増、半導体等電子部品が同41.0%増、衣類・同付属品が同7.6%減などとなった。