日本労働組合総連合会は11月28日、「ブラック企業に関する調査」の結果を発表した。同調査は11月1日~6日の7日間、20歳~59歳の被雇用者3,000名を対象に実施したもの。
「現在の勤務先に満足しているか」を尋ねたところ、「満足」は56.0%、「不満」は44.0%であった。
「勤務先は、いわゆる"ブラック企業"だと思うか」を聞いたところ、「ブラック企業だと思う」は26.9%。4人に1人が自分の勤務先をブラック企業だと思っているという実態が明らかになった。
世代別にみると、現在の勤務先をブラック企業だと思っている人の割合は、「20代」が32.7%、「30代」が30.5%、「40代」が25.9%、「50代」が18.6%という結果に。20代と30代で3割を超え、若い世代の方がブラック企業だと思う人の割合が高かった。
「ブラック企業だと感じている理由」で最も多かったのは「長時間労働が当たり前になっている」(52.2%)。続いて「仕事に見合わない低賃金である」(46.3%)、「有給休暇が取得できない」(37.4%)、「賃金不払い残業(サービス残業)が当たり前になっている」(33.5%)、「上司・上層部のコンプライアンス意識が低い」(29.5%)、「パワハラ・職場いじめが行われている」(25.6%)などがあげられた。
他にも「経費の自腹が行われている」「自主退職への追い込み・強要が行われている」「違法行為が行われている」「労災隠しが行われている」など、過酷な労働環境が明らかになった。
国の対策は十分か?
「国がブラック企業対策に取り組んでいると思うか」を聞いたところ、「しっかり取り組んでいると思う」という人は僅か2.1%。「全く取り組んでいないと思う」という人は約半数の48.2%に上った。
「ブラック企業対策として国に進めて欲しい制度や取り組み」を聞いたところ、「ブラック企業の社名公表」が65.0%で最多。続いて「労働基準法違反の取り締まりを強化」(46.2%)、「ブラック企業の相談窓口設置」(44.4%)、「労働基準法違反の厳罰化」(44.0%)となった。
「勤務先がブラック企業だと感じつつも、転職活動を行っていない人」に対しその理由を聞いたところ、「再チャレンジが難しい(転職先が見つからない不安)から」(51.5%)が最も多くなった。以下、「転職活動する時間がないから」(38.7%)、「どこも似たような環境だと思う(転職しても好転しない不安)から」(37.0%)、「今の職場を辞めたら生活が成り立たないから」(35.1%)、「考える心の余裕がないから」(23.9%)が続いた。